ギターを練習するうえで憧れのギタリストの存在は大事.
ここでは私の好きなギタリストを紹介する.
トニーニョ・オルタ.ブラジルのミナスジェライス州といえば浮遊感のあるサウンド.
そしてそんなミナスサウンドの第一人者と言えるのが彼のギター.
なんといっても美しく心地良いサウンドはコードワークと柔らかな音色からなる.
トニーニョはエレキとアコースティックのどちらも使用する.
エフェクターサウンドも唯一無二で,聴けばすぐに彼の存在に気づくことができるだろう.
ふたつの異なる特徴があるアルバムを紹介する.
ひとつはエレクトリックバンドのスタジオアルバム
もうひとつはアコースティックlive盤.
バーデンパウエル.リオデジャネイロ出身のダイナミックなギタリスト.
とても激しい演奏から"間"の名人芸ともいえる演奏をこなす.
開放弦を多用するのが特徴.
開放弦がさわりのように聞こえたとき,ブラジル音楽が中東音楽のエッセンスも受け継いでいると気づくだろう.
紹介するのは
名曲ビリンバウの演奏動画(ビリンバウはブラジルの伝統楽器.この曲ではその音色を模した演奏を行なう)
それとアルバムはふたつの対照的な演奏(激しさか哀愁か,動きがあるか静が重視されるか)を貼っておく
サンパウロ出身で現在は東京を中心に活躍するギタリスト.
私のギターやサウンド編集の師匠でもある.
マルセロはトニーニョのような複雑なコードワークとバーデンの激しさ,
そこに複雑なリズムやメロディを盛り込む素晴らしいギタリストだ.
ハイレベルな演奏以外にも作曲,編曲,録音,プロデュースもこなすオールラウンダー音楽家としての側面もある.
演奏スタイルはここ数年でますます深化している.
演奏中に盛り上がりゆえに,打ち合わせとは異なる進行を行なうことでコモブチキイチロウ(bs.)を困惑させることに定評がある(だがそれこそがジャズだ!)
日本に住んでいるならこの人のライブは聴きにいくべき.
なので地方の人は全国ツアーを見逃すな!
マルセロの
webサイト
をチェックするとgood
黒田和良(dr.)がマルセロの演奏のどこがかっこいいのかを具体的に解説しているので,是非確認してほしい.
紹介するアルバムは望月あかね(fl)の「Entardecer」(2021)
マルセロはプロデューサーとして演奏,編曲,録音などで全面的に参加している.
ハファエル・ハベーロ リオデジャネイロ出身.
現代ブラジルの天才ギタリストとして大活躍していくはずだったが惜しくも夭折した.
改めて私が書くまでもないほど有名なのでリンク先を読んでください.
動画はブラジルのクラシック作曲家ヴィラロボスの曲のカバー
Spotifyのリンクはジョビンのカバーアルバム.
一曲目はパコ・デ・ルシアとの烈しい絡みが聴きどころだ.
リオらしく洗練されたとても常に美しいサウンドで,飽きがこない.
ヤマンドゥ・コスタ ブラジルの南西部のリオ・グランジ・ド・スル出身.
ショーロのような曲も多いが子供の頃はアルゼンチンに通ってギターを学んだという.
彼がブラジル音楽であるかはさておき,超絶技巧の演奏家であることや
それに留まらず,ひとの心を掴みとる情感溢れる演奏家であることは間違いない.
一曲一曲で鳥肌が立つ程感動できる演奏を行なう.しかも常に!
不調は存在しないのだろうか
ヤマンドゥは天才どころか,もはや人智を超えていて,パガニーニのような悪魔的存在だ.
アルバムのリリース頻度も半端ではない.
歳を重ねるごとに演奏も凄みを増す一方だ.この先どこまで行ってしまうだろう