書籍log

過去数年分はそのうち追記します_20220725


2024/03/01

ジェニー・オデル『何もしない』,竹内要江 訳, 早川書房, 2019年

『デジタルミニマリスト』の一歩先を行く実践の書. 開発者たちのアテンションエコノミーへの無関心さを露わにしているのに加えて,彼らのような柔いつながりとは別の, ソローのような生き方を提唱する.二つの競合する生き方の比較検討をする本.


2024/02/09

カル・ニューポート『デジタル・ミニマリスト : 本当に大切なことに集中する』,池田真紀子 訳, 早川書房, 2019年

デジタルデバイスに奪われた時間を取り戻す方法を,まずなぜ私たちがとらわれているといえるのかという話から始める 基本の書


2024/02/09

カル ニューポート『デジタル・ミニマリスト : 本当に大切なことに集中する』,池田真紀子 訳, 早川書房, 2019年

デジタルデバイスに奪われた時間を取り戻す方法を,過去のヒッピーたちと比較しながら検討していく.
開発者たちのアテンションエコノミーへの無関心さを露わにしているのに加えて,彼らのような柔いつながりとは別の, ソローのような生き方を提唱する.二つの競合する生き方の比較検討をする本.


2024/02/21

清水洋治『なぜAppleは強いのか : 製品分解からわかる真の技術力』,技術評論社, 2023年

すごい気はするけど,それにしてもやることがSNSなのだからハードが泣いているよ


2024/01/30

渡辺敏夫『暦入門 : 暦のすべて』,生活文化史選書, 雄山閣 , 2012年

私には読み通せなっそうだったが,暦の計算をできなければ古い資料は読めな訳なので,常識として最低限は理解すべきだろう,


2024/02/03

朝日新聞社『コレクション戦争と文学 10 オキュパイドジャパン-敗-』, 朝日新聞社, 1996年

戦後の大衆を描いたものが多く,エロティックな内容の小説が目立った.


2024/02/14

カールハインツヴェーバー 他『図解樹木の力学百科』, 堀大才 三戸久美子 訳, 講談社, 2009年

樹木が立ち,周囲の地面を支えるために必要な力学についてての,図鑑.
翻訳に難がある?


2024/01/30

『大コレクション戦争と文学 9 さまざまな8・15 -夏-』, 集英社 , 2012年

前巻に続く内容の小説もあった.
8.15を迎えたからといって劇的にハード面で変わるわけではないが,気の緩みのようなものがでてきて
ぼんやりと気怠く生き始める人々.もしくは生き残るために必死に新たな戦争に巻き込まれる人々.
8.15は何を変えたのか,人それぞれとしか言いようがない.


2024/01/26

河辺義信『はじめての論理回路』, 森北出版, 2016年

初歩の初歩のところだけ読んだ.
もっと理解できるようにしておきたい.


2024/02/07

山本紀久『街路樹』, 技報堂出版, 1998年

名著では無いか.
街路樹に適した木や,その適応できる限界,選定の仕方などが書いてある.
これを読んで以来,そこれの選定業者の手抜きが気になるようになった.


2024/02/03

フランコ・ベラルディ『大量殺人の“ダークヒーロー”-なぜ若者は、銃乱射や自爆テロに走るのか?』, 杉村昌昭 訳, 作品社, 2017年

これも何を言っているのかわからない本だった.とりあえずスウェーデンでの銃の事件の多さには注目した方がいい.


2024/01/26

ブリュノパティノ『スマホ・デトックスの時代 : 「金魚」をすくうデジタル文明論』, 林昌宏 訳, 白水社, 2022年

アテンションエコノミーの創造者たちがいかに恣意的にアテンションエコノミーを作り上げてきたかを説明している.
さらにそこから抜け出す方法を紹介している.


2024/01/26

塙幸枝『障害者と笑い : 障害をめぐるコミュニケーションを拓く』, 新曜社 , 岩波書店, 2018年

何を書いているのかわからない本だった.


2024/01/26

三国一朗『福岡-カラー版 : アジアに開かれた交易のまちガイド』, 岩波ジュニア新書 552 , 岩波書店, 2007年

福岡がいかに国外に開かれていた地域だったかがよくわかる.
かなり面白かった.


2024/01/26

新保信長『字が汚い!』, 文藝春秋, 2017年

字が上手い人は最初から上手いようだ.
字が下手な人間は毎日縦書きでゆっくり名前を書いて練習せよとのこと. 私は漢和辞典があるので書き順も注意しながら住所も書いてみよう.


2024/01/23

朝日新聞社『大震災一年-報道写真全記録』, 朝日新聞社, 1996年

阪神淡路大震災の記録.
一年しか経っていないだけあって,今は見ないような倒壊の経緯や意見が載っていて面白い.


2024/01/13

『コレクション戦争と文学 8 アジア太平洋戦争-斃-』, 集英社 , 2011年

三島由紀夫『英霊の声』が最も面白い.
亀甲墓からテニヤンまでさまざまな地域を舞台にしている.


2024/01/13

望田幸男 他『近代ヨーロッパの探究 3 教会』,ミネルヴァ書房, 2000年

面白くも悲しい.今の若者は戦争文学やらに馴染みがない限り知らないだろう


2024/01/13

三国一朗『戦中用語集』, 岩波新書 黄版 310 , 岩波書店, 1985年

面白くも悲しい.今の若者は戦争文学やらに馴染みがない限り知らないだろう


2024/01/10

宮尾益知『カサンドラのお母さんの悩みを解決する本 : 発達障害の夫に振り回されないために 誰にも相談できない夫の問題行動を理解してお母さんを元気にする』, 河出書房新社 , 2018年

自分がいかに普段から他人にストレスを与えているかを自覚できる本なのだが,もう内容を忘れてしまった.
しかしこれ頻繁に読んだ方がいい気がする.自分の対人関係を見直し続けた方がいい.


2024/01/06

市川哲史『さよなら「ヴィジュアル系」: 紅に染まったSLAVEたちに捧ぐ』竹書房文庫 い1-1

すごく資料価値の高い本.リアルタイムでV系を見てきた人たちが何を考えてきたか
そしてYOSHIKIは何をしているかがしっかりとわかった.


2023/12/22

木野孔司『自分で治せる!顎関節症-イラスト版』, 健康ライブラリー 文藝春秋, 2006年

顎関節症が酷すぎて読む元気もない状態だったのであまりきちんと読めていないが
とにかくマウスピースは短期的には楽になるが長期的には悪影響が生じる可能性があるとのこと
左の顎関節が外れやす過ぎるのだが,この本を読む限り何かとても良くないことのようだった,
しかし読む元気なしで返却.

類書を読むかもう一度借りるかすべきだ.
結局のところ自分でストレッチや筋トレするしかないのだ.
運動に勝る健康法はないとしみじみ思う.


2023/12/22

嶽本野ばら『ツインズ-世界の終わりという名の雑貨店 続』, 小学館文庫 た1-5, 小学館 , 2008年

前作に登場した君に向かって語りかける形式で進む話.
嶽本野ばらと妙に音楽の趣味が合うなと思った.
人倫というものを認識したうえで踏み越えていくときのヒロイズムとマゾヒズムをこの人はどこで覚えたのだろうか


2023/12/22

嶽本野ばら『ミシン2/カサコ』, 小学館 , 2004年

爽快感があった.


2023/12/15

桐生操『世界禁断愛大全 : 「官能」と「耽美」と「倒錯」の愛』, 日本評論社, 2023年

3面生地だけどもはや古典的になったエログロについての本.
面白おかしく書いているけれども著者はどちらかというとアウトサイダーに同情気味
そうじゃないとこんな本いくつも書かないよなぁ


2023/12/02

佐々木正美『子どもの心はどう育つのか』, ポプラ新書 177, ポプラ社, 2019年

発達心理学の重鎮がエリクソンのライフサイクル論を語るというもの
まぁまぁ面白かったがこれで満足してしまってエリクソンをわざわざ読む気が起きなくなった.


2023/11/18

氷室冴子『恋する女たち』,集英社文庫, コバルト・シリーズ, 集英社, 1981年

コバルトシリーズというのは今でいうヤングアダアルト向けみたいなものかもしれない
女の子3人たちが良い距離感を保ちながらそれぞれ恋愛するという内容.
みんな頭よさそうなんだよなぁ.
作家本人の高校生活(だったっけ)での友人関係がもとになっているとかだったはず


2023/11/14

榊原英輔, 他『心の臨床を哲学する』, 新曜社, 2020年

論文集
「自閉スペクトラム症への医療介入における妥当性の問題-試論-」だけを読んだ.
今みるとラジ先生が「性格心理学をめぐるいくつかの問題」というのを書いている.
もう一度借りて読むか


2023/11/13

嶽本野ばら『ミシン』, 小学館, 2000年

相変わらず洋服のことで勉強になる.でも今回はVivienne Westwoodが多かったので馴染みが多いかも
ただ原宿のあのVivienne Westwoodなのだなとわかるからこそこの小説が楽しめるところがある,かも


2023/11/13

YPS横浜ピアスタッフ協会 他 編『精神障害者が語る恋愛と結婚とセックス : 当事者・家族・支援者のお悩みQ&A』, 明石書店, 2020年

パラパラめくった.最後の座談会では精神障害者に固有の恋愛と結婚とセックスの悩みはないのではという結論だった.


2023/11/07

アリスター・E.マクグラス 他『大災害の神学 : 東日本大震災国際神学シンポジウム講演録』, キリスト新聞社, 2022年

マクグラスの講演が素晴らしい.
マクグラスは反啓蒙主義の立場から神学の重要性を主張しているのだけど,
この動画で初めて彼のエッセンスが見えた感じがある.
啓蒙主義が理想的な世界を想像させるからこそ,我々は生きるのが困難になるのだと指摘する
非常に鋭く,残酷な指摘だ.世界は残酷であるというのが正しい認識なのだということに同意する.


2023/11/02

高垣育 上田泰正 本田英隆『犬の介護に役立つ本』, 山と溪谷社, 2015年

古い本だが,老犬の行動の原因や解決法が詳しく紹介されていてわかりやすい.
購入したい.


2023/10/25

田宮聡『ケースで学ぶ自閉症スペクトラム障害と性ガイダンス』, みすず書房, 2019年

性教育では実践的な面でのやり取りがわからないので,自閉症の人は誤解したまま被害者や加害者になりうる
ということで実践的な性ガイダンスが必要という話.色々なケースが紹介されている.


2023/10/24

『コレクション戦争と文学 : 6日清日露の戦争-攻-』,浅田次郎 他 編, 集英社, 2011年

皇軍兵士の愚かさばかりで気が滅入る内容が多い.他の巻より読むのに時間がかかったのはそういうこと.
ただし「君死にたまふこと勿れ」の前半の美しさと後半の生々しさの対比が強烈だった.


2023/10/17

中村文孝 小田光雄『私たちが図書館について知っている二、三の事柄』, 論創社, 2022年

図書館の裏話.地域図書館や地方議会図書館や学校図書館はそれぞれ管轄が違うから,交流がないだとか
図書館憲章を作った人たちと悪書追放運動を行なった人々は重なるとか
裏話が多い本.
業務委託業者の系譜についても書いてある.
これ他の国の制度と比較しながら読むと楽しいだろうな.
少なくとも日本の図書館の混乱はGHQからの解放と共に始まったのは確かなようだ.
児童書を書いている層について何やら言ってた気がするが忘れた.


2023/10/12

嶽本野ばら『ロリヰタ。』, 新潮社, 2004年

今まで敬遠していた作家の作品.短編に作が収録された単行本
なぜロリータファッションが存在するのかを語りつつ,それが理解されない現状とdiscommunicationを嘆いている
ただしそのような不快な社会と対立するものとして,男女ふたりだけの親密な最小単位の社会が,最も美しいものとして描かれている.
その親密な社会は美しさを際立たせるために破滅するのだが,破滅した後にどうなったかを描く「セカイ系」(仮に分類するなら)は珍しいのかもしれない
原宿から表参道へのあの通りが舞台になっている.この本を読んでから少しだけあのストリートが好きになった.
いつもは逃げるように早足で移動していた.
もう一度読んで,登場したファッションブランドについて調べたい.
あの街のことを理解する手助けになるだろう.


2023/10/08

ジェイソン・ブレナン『アゲインスト・デモクラシー 上』, 井上彰, 他,訳, 2022年

政治なんか市民に任せると碌なものじゃない.という話をデータや独自の理論をもとに展開している本.
素晴らしい本だ,大体いまの時代,デモクラシーを疑えなんていうと白い目で見られるに決まっているので
学者がこれを書く勇気だけでも賞賛に値する.

とか言いながら全部は読めなかった.時間切れ.
後日再読します.最近なぜか忙しくて本が読めない.
その割にはタスクに手がつかない.


2023/09/21

伊地知英信『外来種は悪じゃない : ミドリガメのための弁明』, 草思社, 2023年

外来種と外来種という行政上の区別を,自然観察のときに重要な情報として持ち込むことへの違和感を表明している本 確かにこの前みた子供たち主体の自然発表会のようなものでも生態よりも外来種であるかの方が重要であるかのような話ぶりだった
著者は外来種という概念に惑わされることで,人々が命に関わるという大切な機会を逃してしまうというぼんやりした主張をしている.
そこはともかく現在生息する外来種が持ち込まれた経緯や,それを本当に排除すべきかという生態系から見た議論は面白い.
ちなみに環境保護活動が分裂する原因は大抵「守るべき生態系は何か,誰にとって望ましいものか」のような方針の違いかららしい.
やはり理詰めの議論と政治活動は相性が悪いな.
私は環境保護活動の破壊者になってやろうかな.全てを人間の手から自由にするのが「動物の解放(Animal Liberation)」である
ナンツッテな.はー,人間は悪だ.
セイヨウタンポポを目の敵にして摘んでいるおばさんにこういう話をして,滅茶苦茶激怒させて楽しみたいという気持ちはあるが,
反社会的なことは癖になるからやめておかないといけない.それが人間である為のルール.

著者は私と活動地域が近いようにみえる.著者のように生態と地理の関係をもっと調べたい.


2023/09/12

葛飾区環境部環境課『生物多様性かつしか戦略 : すべての"生きもの"の命のつながりのために』, 葛飾区環境部環境課, 2012年

参考資料


2023/09/12

宮本常一 安渓遊地『調査されるという迷惑 : フィールドに出る前に読んでおく本』, みずのわ出版, 2008年

昔の学者さまがとにかく高慢であったことがわかった.
私は他人からの聞き取りが好きなので,相手への迷惑のことを注意する習慣をつけた方がいい
とはいえねぇ


2023/09/12

葛飾区環境部環境課『生物多様性かつしか戦略 : すべての"生きもの"の命のつながりのために』, 葛飾区環境部環境課, 2012年

参考資料


2023/09/11

臼杵新『イヌの老いじたく-年を重ねた愛犬を守るために本当に大切なこと 永久保存版』, サイエンス・アイ新書SIS-397, SBクリエイティブ, 2018年

実家の老犬の介護のために読まねばとずっと思っていたが,
犬の老いを受け止められずに読んでいなかった本.
読むには遅すぎたかと思ったがそんなことはなかった.
犬の褥瘡予防など寝たきり生活にまで対応した書籍.
ペットフードの選び方や大型犬の老化は1才から始まることなど
犬を飼う前にも読んでいいくらいだ.


2023/09/05

外山恒一『政治活動入門』, 百万年書房, 2021年

トヤマと読むらしい.
政治活動に若者が関心がないというのは勘違いで,仲間を見つけられていないだけだという話.
グルを作り,多少の違法行為くらいやっちまえという啓発本
外山さんはアナキズムの結果ファシズムに行きついたそうだ.
アナキズムの最終形態がファシズムとも.私もそう思う.
私もファシストだからだ.
それにしても一度も留置所で過ごす日がない人生は悲しいなぁ.


2023/09/05

外山恒一『政治活動入門』, 百万年書房, 2021年

トヤマと読むらしい.
政治活動に若者が関心がないというのは勘違いで,仲間を見つけられていないだけだという話.
グルを作り,多少の違法行為くらいやっちまえという啓発本
外山さんはアナキズムの結果ファシズムに行きついたそうだ.
アナキズムの最終形態がファシズムとも.私もそう思う.
私もファシストだからだ.
それにしても一度も留置所で過ごす日がない人生は悲しいなぁ.


2023/09/05

リン・エンライト『これからのヴァギナの話をしよう』,小澤身和子 訳, 河出書房新社, 2020年

クリトリスが解剖学の歴史で無視されていたと言う話が面白かった.
G spotというのは膣側からクリトリスに繋がる神経が刺激されることで性感が生じるもので
解剖学的に存在するものではないことを学んだ.(そうだろうとは思っていたけど)


2023/09/02

広田厚司『ロンメルとアフリカ軍団戦場写真集』, 光人社 , 2012年

アフリカ戦役の写真集は初めてみたなぁ.


2023/08/24

今井伸『射精道』, 光文社新書 1219 , 光文社, 2023年

ちゃんとしたオナニー教育がセックスを楽しむためには必要ですという本.
正しい握り方と強さで亀頭に感覚を集中しましょうとのこと
おかずは小説や画像や動画をローテーションが必要.AVやアニメは刺激が強すぎるし,VRはさらに刺激が強すぎて実際のセックスで興奮できなくなるから注意してとのこと
想像力だけでオナニーしてみるのも大切とのこと
射精道は新渡戸の武士道のアナロジーの議論.
つまり日本刀としての陰茎を持つものは武士のように高貴なもの義務が必要,陰茎ひとつ誤れば自分や他人に害をもたらすものであるが
そうであるが故,陰茎を正しく用いてオナニーライフを送ることが自分を高めることになり,さらには良い性行為を自分と相手にもたらす.らしい.

著者は射精道を世界に広めたいとのこと.どうなんすかね.あとオナニーはいくらやっても害はないとのことだが,心臓が弱い人はどうだろうか…


2023/08/16

保坂三四郎『諜報国家ロシア : ソ連KGBからプーチンのFSB体制まで』, 中央公論新社, 中公新書 2760 , 2023年

KGBが解体されたというのは勘違いでFSBという組織としてほとんどそのまま残っているよという話.
今年読んだ本ベストの面白さだ.
ロシアがどういう国で対外的な活動がどんなものかよくわかる.

ロシアの対外工作の方法として「アイツはKGB(もしくはFSB)と繋がっている」という偽情報を流すことで,
特定の人や特定の機関の信用を落とすというのは,自分たちのことをよくわかっているな…

ロシア国民がインターネットで外部の情報に開かれているかというと,ぜんぜんそんなことないようだ
だいたいのロシア人がインターネットはCIAが裏で管理していると信じているそう
本当によくできたディストピアだ


2023/08/

松村高夫 矢野久 編『大量虐殺の社会史: 戦慄の20世紀』, ミネルヴァ書房 , 2007年

ジェノサイドの定義では戦争行為での虐殺は扱わない.
例えば重慶爆撃やアルゼンチンの独裁政権の虐殺ははジェノサイドに含まれない.
それでは困るということで戦争の有無に関わらない虐殺を指して「マスキリング」や「大量虐殺」という言葉が生まれた.
ころでジェノサイドもマスキリングも基本的にジェノサイド条約に基づいた定義を用いるのだが,重要な点としてジェノサイドもマスキリングも死者の数の多さは定義に含まないということだ.
死者が少なくてもジェノサイドやマスキリングに当てはまるのだ.

死者が数十人くらいでマスキリングとか大量虐殺と言われたら直観には反するよな.というかそういうのはそもそも普通の殺人とどう違うだろうか.
組織であるかどうか?

出てくる組織名と人名が多すぎて眠くなる


2023/08/05

『観ずに死ねるか!傑作絶望シネマ88 : 総勢70人が語る極私的トラウマ映画論』, 鉄人社 , 2015年

映画の内容紹介より,書き手の個性が優って映画について全然頭に入ってこないくらい面白い本だった.
でもみたいと思ってTSUTAYAディスカスやU-NEXTのマイリストに追加した作品は20はあるはず.
ところで炎628は是非みたい映画なのに見る機会が無いままだなぁ


2023/08/05

宮地尚子 編『性的支配と歴史 : 植民地主義から民族浄化まで』, 大月書店 , 2008年

何を言っているのかわかりそうにない.有害なフェミニズムらしさって言ったら怒られるかな.


2023/08/02

内海成治 中村安秀 勝間靖 編『国際緊急人道支援』, ナカニシヤ出版 , 2008年

すべては無力!

みんな死ねばいいので,人道支援系の本を読むことがストレスに繋がる.

ひとのこころがないのでバカにしながら読むことしかできない.
良心の欠如に罪悪感を持つことがあるしないこともある.


2023/08/02

石田勇治 武内進一 編『ジェノサイドと現代世界』, 勉誠出版 , 2011年

様々なジェノサイドの事例研究.
ジェノサイド研究はジェノサイドの予防も目的の一つにしているが,実際には防げていないのが現状だ.
国際政治での大国政治の悲劇という側面があるようだが,それだけではない.
詳しいことは忘れた.いい本でした.


2023/07/31

北村陽子『戦争障害者の社会史 : 20世紀ドイツの経験と福祉国家』, 名古屋大学出版会 , 2021年

WW1では普墺戦争のときより医療や薬学に進展があったので,傷ついた兵士が死ぬことが少なくなった.
しかしその結果大量の傷痍軍人が誕生した.
彼らは困窮したため,一部は団結して傷痍軍人の会として社会福祉の充実を求めて運動を行なった.
ただshell shockの兵士はナチス政権下では,処分の対象になった模様.


2023/07/31

アーロン・スキャブランド『日本人と自衛隊 : 「戦わない軍隊」の歴史と戦後日本のかたち』, 花田知恵 訳, 原書房 , 2022年

どんな本だったかな…
北海道では雪かき,沖縄では地元の女性との結婚をするなどの戦略で自衛隊は地域に溶け込んでいったとのこと.
1964年の東京オリンピックが自衛隊主導だったことは初耳だった.
iligal bustarsがいかにして左派と右派に認められたかという着眼点からの本だった.
しかし自衛隊の災害派遣の頻度が高すぎるよなぁ.
地方の消防警察で対処できるように行政改革しないと有事のとき自衛隊がいなくてどうしようもないということになるよな.

多くの国では通常軍隊は災害派遣は行わないらしい. 知らなかった.
ハリケーンカトリーナのときに米軍が出動していたのは例外のようだ.

米国ではたぶん民兵と連邦軍の中間として州軍があるんだよな


2023/07/27

原田曜平『Z世代 : 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?』, 光文社新書1101, 光文社 , 2020年

訳のわからない本.とにかく電通だか博報堂だかの著者が世代論を作ってそれらしい概念を流行らせているようだ.
必殺仕事人に依頼をしたほうがいい.


2023/07/26

中西久枝『イスラーム世界と平和』, シリーズ戦争学入門, 創元社 , 2023年

イスラームについての偏見を改めようとする至極真っ当な本.
イランの女性の現状についての最新のレポートがあることに意義がある
フェミニズムに関心がある人はイスラームの合理性を理解した上で,イスラームの女性問題を考えましょう
現場を知ってから理論を応用するのが大事です.
というかこれに限らずイスラーム圏や南米,インドの国連機関への不信感はどうにもならんな.

イランへの2006年から2009年の経済制裁は国連安保理決議によるもの
2015年に核交渉国(イランに核を持たせたくない国)とイランとの間で包括的共同作業計画(JCPOA)が成立した.
これはイランの核開発を一定まで認めることで制約するという方針
さらにイランにIAEAの査察による透明性を認めさせて,見返りには経済制裁を段階的に解除していく方針
このような核ヘッジは言いかえればイランに制限付きとはいえ核開発にお墨付きを与えるものであるため,イスラエルとサウジアラビアは核合意を史上最悪のものと表明した.
JCPOAにはミサイル条項が不在であるため,イランのミサイル開発が合意の規制を受けるか否かで意見が分かれる
イランは核を搭載しなければ弾道ミサイルは問題ないと主張.
トランプ政権及びオバマ政権対イランタカ派はJCPOAがミサイル開発に制約を加えていたと主張している.

イスラエルがJCPOAに不満を持っていたのはまさにこの合意文書にミサイル条項が含まれないからであった.
2018年にトランプはJCPOAから離脱を宣言.
経済制裁の段階的解除を中止して,さらに追加制裁を決定した.
その後イランはJCPOAの合意履行の一部停止を宣言した.
2019年のIAEA報告によれば核合意の際に取り決めた限界量を超えるウラン濃縮度や重水量が確認された
2020年にはイランで革命防衛隊司令長官暗殺事件や核技術者暗殺事件が発生している.
これはイスラエルの関与があったという見方が強い.
これらの事件はイラン側の強硬姿勢をさらに強化した.

核ヘッジに基づく核合意についてイランと北朝鮮の場合を調べて考えたのは,近接する敵対国(イスラエルや韓国)と遠距離に位置する米国では,抱えるリスクが余りにも違うということだな.
米国はミサイル規制については最悪でも技術的にハードルの高い弾道ミサイル開発さえ規制できれば本土は安全だが,近接国からすれば技術的ハードルの低い巡航ミサイルや砲弾でさえ核搭載されれば国家存亡の危機になる.
なので「ならず者国家」には核開発の管理ではなくて,縮減か撤廃を求める.
近接国にとっては経済制裁解除でさえも敵対国の軍事開発や経済成長を進める脅威に映るだろう.
まあこういう地政学的要因による核ヘッジリスクの不均衡というのは避けられないもので,むしろ核合意への多国間の交渉で何が得られたかみたいなのを評価するのも必要だろう.
(日米韓北の交渉は読んでいて本当に気が狂いそうなほど大変にみえた)


2023/07/14

阿奈井文彦『ベ平連と脱走米兵』, 文春新書 126, 文芸春秋, 2000年

学術書かと思ったら,ベ平連として脱走米兵を匿う活動をしていた人の回想録だった.
戦争文学の作家も活動に協力していたようだ.


2023/07/12

結城昌治『軍旗はためく下に 増補新版』, 中公文庫 ゆ2-23 , 中央公論新社, 2020年

元日本軍兵士たちに過去にあった戦場での出来事を訪ねて回るという内容だったかと.
会話劇.
軍法違反に関する内容が大半.隠蔽体質や胸くそ悪い話盛りだくさん.


2023/07/14

メアリー・ルイーズ・ロバーツ『兵士とセックス : 第二次世界大戦下のフランスで米兵は何をしたのか?』, 佐藤文香 西川美樹 訳, 明石書店 , 2015年

フランスも米兵の妻も耐え難きを耐えという話.
良い占領?と同じような内容.米兵はフランス人を性的に奔放であると見下していた模様.


2023/07/14

櫻田大造『NORAD北米航空宇宙防衛司令部』, 関西学院大学研究叢書, 中央公論新社 , 2015年

カナダ軍も米軍にどの程度守ってもらえるのかどうかわからず,また巻き込まれるかもわからず苦悩したという話.


2023/07/07

『コレクション戦争と文学4 : 9・11変容する戦争-崩-』, 集英社 , 2011年

ポスト冷戦ということでイラク戦争アフガン戦争だけでなくユーゴの虐殺,日本の難民政策などを扱う内容
ルポは小説よりも生々しい時がある.


2023/07/17

『コレクション戦争と文学3 : 冷戦の時代-謀-』, 集英社 , 2012年

五木寛之「蒼ざめた馬を見よ」はソ連文学の弾圧をテーマにしていて,この人にも尖った内容が描けるのだなと感心したがオチはイマイチ
その他の作品もSF色が強いとかさまざまな理由で好みではなかったので,いくつか読み飛ばした


2023/07/04

『コレクション戦争と文学1 : 朝鮮戦争-断-』, 集英社 , 2012年

米軍が韓国警察によるスパイやその家族の虐殺を黙殺していたことが描かれていた.
中露のミグによって航空劣勢となった米軍の焦りが伝わる内容もあった.


2023/07/04

『コレクション戦争と文学2 : ベトナム戦争-泥-』, 集英社 , 2012年

ベトナムを実際に歩いた人のルポなどからみるに,農民や敵について無知な米軍と南ベトナムが北ベトナムに勝てるわけがなかったんだなと納得した.


2023/06/17

青木謙知『F-35はどれほど強いのか : 航空自衛隊が導入した最新鋭戦闘機の実力』,サイエンス・アイ新書, SBクリエイティブ, 2018年

スーパークルーズ機能がない点ではF-22に劣るけれども,コンピュターやネットワークシステムの強さでは2回りくらい上なのかな.


2023/06/27

スーザン・L・カラザース『良い占領? : 第二次大戦後の日独で米兵は何をしたか』, 小滝陽 訳, 人文書院, 2019年

米国の占領計画がいかに行き当たりばったりであるか(WW1)の経験は活かされなかったということ
そして兵士の任期が伸びる一方で新兵が入ってこず人事が滞って,士気は下がり性病は蔓延し,本国からは「パパを返せ運動」が始まった
しかし朝鮮戦争が始まるとそんな話も立ち消えたようだ.

米兵たちには自分たちの占領の意義の教育として強制収容所を見せて,民主主義を教える必要があると説いていたようだが,ただの観光と化していたらしい.


2023/06/17

青木謙知 赤塚聡『F-15Jの科学 : 日本の防空を担う主力戦闘機の秘密』,サイエンス・アイ新書, SBクリエイティブ, 2015年

F-15もかなり古い戦闘機だけど,西側諸国で大活躍していて,しかも近代化改修も大成功している感じ.
単座型もあるよ.


2023/06/15

青木謙知『F-22はなぜ最強といわれるのか : ステルス、スーパークルーズなど最新鋭戦闘機に使われるテクノロジーの秘密に迫る』,サイエンス・アイ新書, SBクリエイティブ, 2008年

おそらく2010年代前半には読んだ本ではないかな.それにしてもこの戦闘機が編隊で上がるだけでAir superiorityを可能にするというのは間違いないだろうな.
16発の対空ミサイルを搭載できるとのことだが,2022年の発表によれば24発も搭載したとのこと
無誘導爆弾にものちに対応させたとのことで核爆弾も詰める.
マルチロール機かよ


2023/06/14

青木謙知 赤塚聡『F-2の科学 : 知られざる国産戦闘機の秘密』,サイエンス・アイ新書, SBクリエイティブ, 2014年

自衛隊でのF-2の立ち位置がまぁまぁわかった.F-1で対空のスクランブルが無謀すぎたように思える.


2023/06/14

『近代ヨーロッパの探究 12 軍隊』,望田幸男 村岡健次 監修, ミネルヴァ書房, 2009年

論文集.ロシア,ドイツ,フランスで近代的な徴兵制がどのように出来上がっていくのかがわかった


2023/06/12

オスカール・ナカザト『ニホンジン』,武田千香 訳, ブラジル現代文学コレクション, 水声社, 2022年

ブラジルの第一期移民達の数台にわたる郷愁と苦難の歴史を題材にした小説.


2023/06/10

毒島刀也『M1エイブラムスはなぜ最強といわれるのか : 実戦を重ねて進化する最新鋭戦車の秘密』, サイエンス・アイ新書, SBクリエイティブ, 2009年

M1も随分古い戦車だなという偏見だったけど近代化改修を重ねて随分とよくなっている.西側諸国に輸出しているのは勿論ダウングレード版とのこと


2023/06/10

柿谷哲也『知られざる潜水艦の秘密 : 海中に潜んで敵を待ち受ける海の一匹狼』, サイエンス・アイ新書, SBクリエイティブ, 2016年

内容忘れちゃったけど割と基本的なことをしっかり書いてくれて助かる.


2023/06/10

萩原さちこ『図説・戦う城の科学 : 古代山城から近世城郭まで軍事要塞たる城の構造と攻防のすべて』, サイエンス・アイ新書, SBクリエイティブ, 2015年

城郭より山城の方が一見わかりにくい工夫が隠れていて面白いな


2023/06/05

『コレクション戦争と文学 11 : 軍隊と人間-兵-』, 浅田次郎 編, 集英社, 2012年

こんな全集を求めていた.ということでこの全集シリーズを可能な限り読んでいきたい
セレクション版の文庫も出ている.
これ海外文学でもあればいいのになぁ


2023/06/05

リー・ネヴィル『米陸軍レンジャー : パナマからアフガン戦争』, 床井雅美 茂木作太郎 訳, 並木書房, 2018年

米軍に都合のいいことしか書いてないじゃないか.とはいえ戦術面では優秀ということで間違いないのかな.


2023/06/05

三島由紀夫『午後の曳航 新版』, 新潮文庫, 新潮社, 2020年

下に同じ.パラノイアだな.


2023/06/05

三島由紀夫『女神 改版』, 新潮文庫, 新潮社, 2002年

頭でっかちで思い込みが激しくてキモいなと
でも作り込みが綺麗でこういうのが一級の文学なのかな


2023/06/??

ロバート・D・エルドリッヂ『人口減少と自衛隊』, 扶桑社新書 300, 扶桑社, 2019年

やっぱ徴兵制に近い制度は必要やなぁ


2023/06/06

西村清和『プラスチックの木でなにが悪いのか : 環境美学入門』, 勁草書房, 2011年

論文集といった感じ.美学の理論的なところは結局わからなかった.
本筋ではないがゲルハルト・リヒターの作品についての解説がわかりやすくて面白かった.


2023/06/04

浅田次郎『自衛隊の本領』, 講談社文庫, 講談社, 2004年

面白い!
軍の本質は,同僚(自身の監督下にない)の責任も負わねばならないことという議論が新鮮だった.
浅田が自衛隊にいた70年代の雰囲気がよくわかる.


2023/06/04

筒井康隆『ダンヌンツィオに夢中』, 中央公論社, 1989年

三島由紀夫評である表題作を含む短編集
三島がダンヌンツィオに憧れその生涯を模倣しようとしたのではないかという仮説に基づき
三島の生涯を読み解いている
楯の会事件の演説の録音テープの書き起こしが面白いので一読の価値あり.


2023/05/29

川村湊『紙の砦 : 自衛隊文学論』, インパクト出版会, 2015年

こういう本を書くだけあって自衛隊への知識も豊富な著者なのだが,
自衛隊は解体して災害派遣を主たる任務にする災害救助隊を作ればいいという考えらしい.
また3.11のときに災害派遣をしても主たる任務に影響は出なかったのだから,そもそも自衛隊の規模が大きすぎるというような批判がああった
ここはデータを見なければよくわからない
予備自衛官を導入してでも,主たる任務に影響が出ない範囲でしか災害派遣しないのが自衛隊の現状のはずだけど

主たる任務と従たる任務の定義について著者と擦り合わせたい

浅田彰『歩兵の本領』,三島由紀夫についての批評である筒井康隆『ダンヌンツィオに夢中』など面白い文学作品を知ることができた

文学批評はありがたい存在だ.


2023/05/24

赤塚聡『ドッグファイトの科学 改訂版 :知られざる空中戦闘機動の秘密』, サイエンス・アイ新書, SBクリエイティブ, 2018年

西側は編隊の最小単位が2であるのに対して東側は3であるというのが興味深い.


2023/05/24

村上勝彦『進駐軍向け特殊慰安所RAA』, ちくま新書 1641, 筑摩書房, 2022年

RAAを作るために内務省が指示したはずだがその文章がないということで政府はしらばっくれているらしい
軍隊って絶対に慰安所いるのか?レイプが起こるなら,士気が低いとか統率が取れていないとかそういうことを問題にすべきだったのでは


2023/05/24

筒井康隆『筒井康隆コレクション 6 美藝公』, 日下三蔵 編, 出版芸術社, 2017年

歌と饒舌の戦記 p167-406 目当て
北海道にソ連軍が侵攻してくるというもの
筒井も小松も軍事知識豊富だけど考えてみれば,戦時下を生きてきた世代だから
周囲の兵士から生の経験として軍事知識を蓄える機会は山ほどあったんだな.

冷戦期の架空戦記はSF文学によくあるようなのでできるだけ読んでおきたい.
国内外問わず作品を知りたい.


2023/05/23

石井暁『自衛隊の闇組織 : 秘密情報部隊「別班」の正体』, 講談社現代新書 2496, 講談社, 2018年

著者がヒステリックにインテリジェンスについて騒ぎ過ぎという印象
特定秘密保護法案やNSCはシヴィリアンコントロールの名の下である程度制限されたうえでインテリジェンスをしようという流れに位置づけるのが自然ではないか
著者は軍部の暴走が進むと考えているが実際には逆のことが起こっているように見える
仮にNSCに別班が何らかの形で属していないならば
却って情報分析の障害になるのだろう
安倍晋三の改革はまさにそういうことをなくすことを意図していたはずだ
小谷賢あたりの書籍で別班がどうなったのか確認したい.

講談社現代新書はやっぱり読まないほうがいい


2023/05/23

古野まほろ『警察の階級』, 幻冬舎新書 ふ-17-2, 幻冬舎, 2020年

巡査部長と巡査長の権限は非なるものです注意しましょう
本部と警察署では階級の重さが違うので注意しましょう
ということを学んだ.
下の階級から順に読んでいたが,警視正あたりからは飽きて読み飛ばしてしまった.


2023/05/25

サビーネ・フリューシュトゥック『不安な兵士たち : ニッポン自衛隊研究』, 花田知恵 訳,原書房, 2008年

自衛隊隊員へのインタビューが多い本.
国防や自衛隊の仕事についてほぼ知らぬまま入隊した若者たちの話に唖然とした.
少しも調べていないような印象があるが…

自衛隊基地の資料館に説明のパネルがないのは,触れたくないことを割愛して隊員に口頭で伝えるからだとか


2023/05/22

マーク・ボウデン『強襲部隊 : 米最強スペシャル・フォースの戦闘記録』, 伏見威蕃 訳, 早川書房, 1999年

映画ブラックホークダウンの原作.小説のように読めるノンフィクションドキュメンタリーとして非常によくできていた.
ソマリアで米兵と交戦した人々にも取材をしていることが効果を奏している.
米兵の部隊や司令は,ペースを崩して以降,動きはずっとお粗末でまさにデスマーチを見ているようだった.


2023/05/19

太田茂『OSSの全貌 : CIAの前身となった諜報機関の光と影』, 芙蓉書房出版, 2022年

あまり詳しくない分野であるし,著者の経歴からしても歴史の専門教育は受けていないだろうから
この本が信用に値すると思えないため読まずに返却した.


2023/05/17

木元寛明『戦車の戦う技術 : マッハ5の徹甲弾が飛び交う戦場で生き残る』, サイエンス・アイ新書 , SBクリエイティブ, 2016年

だいたい知っている内容かなぁ.戦車は比較的情報が出てきやすいよな


2023/05/17

かのよしのり『ミサイルの科学 : 現代戦に不可欠な誘導弾の秘密に迫る』, サイエンス・アイ新書 , SBクリエイティブ, 2016年

中距離ミサイルや長距離ミサイルなどの距離の外延は国それぞれとのこと.
ジェットエンジンのついたミサイルは速度が遅いことなどを学んだ
フォールアウトの中で生き残るためのハウツーの紹介が面白かった.


2023/05/17

かのよしのり『歩兵の戦う技術 : 銃弾や砲弾が飛び交う戦場で勝利して生き残る』, サイエンス・アイ新書 , SBクリエイティブ, 2018年

中隊がなぜcampanyなのかや戦地で4秒以上走ってはいけないなどを学んだ.


2023/05/17

渡辺考『少女たちがみつめた長崎』, 書肆侃侃房, 2020年

知人の知人が被爆者たちに話を聞いて回っていた.
高校生が「被爆者の本当の苦しみを知ることができない」と試行錯誤しているのはそれ自体が非常に道徳的な営みとして尊いと本心から思うのだが,一方でそういう道徳的な試行錯誤は自分や周囲の心身を壊すので辞めてくださいというのもある…

私は高齢者から戦争体験を訊くのが好きで,何なら日本以外の地域の人たちからも戦争体験をききたいくらいなのだが,別にそれを反戦に繋げるとか,苦痛をわかりたいとかは微塵もないのよね
まあ別に戦争に対するアプローチは共感ベースのものであれ,好奇心ベースであれ,誰にも迷惑かけてないからなんでも良いだろうし,戦争への価値判断も自由でよい(建前上の戦争非難はいるかもだけど)はずだけど
なんか猛烈に戦争への忌避感があるひとは苦しそうだし認知的に何か偏った考えがあるんじゃないかとか思うんだがどうなんだろう(これは人文学徒とか坂本龍一にも思う)

とある国際法への違反としてある事態での武力行使を非難するとかなら私も同意できるのだけど「戦争がイヤ!」みたいな趣味の主張には,まあそういう価値判断なんだなぁというくらいで同調はできないんだけども
「戦争がイヤ」みたいな話は大抵の場合それに対する同調を求めているので結構つらい

「(任意の弱者)の苦しみに寄り添うことで〇〇できる」みたいなのは,私にはシミュレーションできない.

戦争がイヤなひとが多いほうが戦争を避けられるという考えがあるんだろうけどその根拠はよくわからないんだよね

国際政治のなかでは武力を持つことが交渉の前提になるし,武力の行使をしてでも(例え私たちが少しは死んででも)主権や国民を防衛することがあるという事実に対する認識が共有できているのかどうかがわからない

共有できたうえで価値判断が違うのか,それとも共有できてないまま平行線の議論をしているのかわからない. おそらく両方あるだろう

ここに出てくる人々と比べて自分の魂のステージの低さが気になってきて具合悪くなった…
私には善性のかけらもない.消えてしまいたい.

私はぐちぐち考えてばっかりで何やっているんだろう. 立派な人をみて凹んでいるとか僻んでいるだけではないのか
どうしようもない.どうしようもない.南無阿弥陀仏


2023/04/25

杉山滋郎『「軍事研究」の戦後史 : 科学者はどう向きあってきたか』, ミネルヴァ書房, 2017年

非常に勉強になる本.日本学術会議が悪の総本山のように言われることがあるが,学術会議が仮になくなったところで
他の学会が軍事研究を認めるわけではないだろうことが推測できる
学術会議は軍事研究を批判する声明を出すが,それを他の学会(物理)が十分だと考えていたわけでもないという歴史があった
また具体的に何が軍事研究かについては中谷宇吉郎の件以降,何度も議論が繰り返されていることがわかった.


2023/05/16

マイケル・モラスキー『占領の記憶/記憶の占領 : 戦後沖縄・日本とアメリカ』, 鈴木直子 訳, 青土社, 2006年

私がいちばんダメだったジャズ史本の著者であることに気づいたので読まずに返却した.


2023/04/26

筒井康隆『日本以外全部沈没 : パニック短篇集』, 角川書店, 2006年

愉快


2023/04/25

広瀬佳一『NATO<北大西洋条約機構>を知るための71章』, エリア・スタディーズ 195, 明石書店, 2023年

NATOも色々ある!


2023/04/23

遠藤周作『白い人・黄色い人 改版』, 新潮文庫 え-1-1, 新潮社, 2012年

遠藤周作はそんなにキリスト教が嫌ならキリスト教に構わなければいいのにどうして執着しているのだろうか.


2023/04/23

日本SF作家クラブ編『たそがれゆく未来 巨匠たちの想像力 文明崩壊』, ちくま文庫 き38-1 , 筑摩書房 , 2016年

まぁまぁ.小松左京と筒井康隆は借りて読もうと思った.


2023/04/19

日本SF作家クラブ編『SF入門』, 早川書房 , 2001年

阿部薫の妻がSF作家であることを学んだ.


2023/04/17

日本SF作家クラブ編『暴走する正義 巨匠たちの想像力 管理社会』, ちくま文庫 き38-2 , 筑摩書房 , 2016年

読んでて苦しくなったので途中まで.


2023/04/15

日本SF作家クラブ編『あしたは戦争 巨匠たちの想像力 戦時体制』, ちくま文庫 き38-1 , 筑摩書房 , 2016年

小松左京と筒井康隆がずば抜けて面白かった.


2023/04/10

フランク・レドウィッジ『航空戦』,矢吹啓 訳 ,シリーズ戦争学入門, 創元社 ,2022年

だいたい知っている内容だが,テストで出ても40点くらいしか取れないかもしれない.


2023/04/07

辻元佳史 辻元玲子『図説戦争と軍服の歴史』,ふくろうの本 ,河出書房新社 ,2021年

全然詳しくないので助かります.イラスト頑張っているなぁ


2023/04/05

乳房文化研究会『乳房の文化論』,淡交社 , 2014年

特に記憶なし.


2023/04/05

日本新聞労働組合連合『失敗しないためのジェンダー表現ガイドブック』,小学館, 2022年

ちょっとめくってみて政治的にわかり合えないなと思ったので読まなかった.


2023/04/05

横道誠『ひとつにならない : 発達障害者がセックスについて語ること』,イースト・プレス, 2023年

みなさん苦労しておられる.


2023/03/29

深井智朗『プロテスタンティズム : 宗教改革から現代政治まで』,中公新書 2423 , 中央公論新社, 2017年

ルター派がカトリックよりの形式なのはなぜなのかなど


2023/03/29

岡田温司『処女懐胎 : 描かれた「奇跡」と「聖家族」』,中公新書 1879 , 中央公論新社, 2007年

マリア信仰やアンナ信仰について


2023/03/29

岡田温司『アダムとイヴ : 語り継がれる「中心の神話」』,中公新書 2188 , 中央公論新社, 2012年


2023/03/18(金)

安廷苑 浅見雅一『韓国とキリスト教 : いかにして“国家的宗教”になりえたか』,中公新書, 中央公論新社, 2012年

キリスト教を受け入れる素地としてシャーマニズムがあったとのこと,それが現代のプロテスタントのカリスマ牧師の登場に関係してくるとか
世襲制のメガチャーチが勢力を争っているのが問題視されているようだ.


2023/03/16(木)

藤原聖子『宗教と過激思想 : 現代の信仰と社会に何が起きているか』,中公新書 2642, 中央公論新社, 2021年

宗教学者というのは各宗教に詳しいのだなと感心した.


2023/03/14(火)

カレン・アームストロング『イスラームの歴史 : 1400年の軌跡』, 小林朋則 訳 ,中公新書 2453, 中央公論新社, 2017年

シーアがアリーを指示していることなどや,ジャーヒリーヤ概念の歴史的経緯などを学べる.
ただしせめてラテン文字でイスラームの概念を読めなければ,どうしようもないところがあるので
カナ表記だけというのはやめてほしい(それなら新書を読むな)


2023/03/04(土)

岡田温司『映画と黙示録』, みすず書房, 2019年

『映画とキリスト』の続編にあたるもの.
SFが多く取り上げられていた.
私はさほどSF映画には関心がないので前作ほど惹かれなかったな.


2023/03/04(土)

パット・バーガー『女たちの沈黙』,北村みちよ 訳, 早川書房, 2023年

イリアスをリメイクした小説
ギリシア軍の戦利品として扱われる女性(ブリセイス)の視点から描いたもので,フェミニズム文学としても,戦記ものとしても面白い.
みなさん読みなさい.
続編も出るっぽい


2023/02/18(土)

『ワードマップ イスラーム : 社会生活・思想・歴史』,小杉泰 江川ひかり 編, 新曜社, 2006年

基本のきとして役立ちました.


2023/02/18(土)

岡田温司『最後の審判 : 終末思想で読み解くキリスト教』,中公新書 2708, 中央公論新社, 2022年

結局,最後の審判で誰が裁くのかについて,いろんな説はあるが統一の見解はないようだ.


2023/02/18(土)

岡田温司『天使とは何か : キューピッド、キリスト、悪魔』,中公新書 2369, 中央公論新社, 2016年

異教のキューピットが天使と混合されたり,天使が子供の姿になって楽器を演奏するようになったり
天使の姿は変わり続けてきたよという話.


2023/02/18(土)

松本佐保『バチカン近現代史 : ローマ教皇たちの「近代」との格闘』,中公新書 2221, 中央公論新社, 2013年

バチカンは冷戦のソフトパワーの最先端だったよという話.
特にポーランド出身の教皇がポーランド民主化のために果たした役割は大きいようだ
バチカンが冷戦の西側のソフトパワーとしてイデオロギーの正当化を行ったという点に今後は着目したい.


2023/02/15(水)

小長谷正明『 ローマ教皇検死録 : ヴァティカンをめぐる医学史』, 中公新書 1605, 2001年

ヴァチカンは沼なのでマラリアが蔓延っていたという話.


2023/02/14(火)

久松英二『ギリシア正教東方の智』, 講談社, 2012年

勉強になった.
世界史全然知らないので西ローマ帝国が突然滅んで驚いてしまった
この著者の書いている.ロシア正教会版ヨーガみたいな瞑想の本を読みたい.
どの程度大衆に膾炙しているのだろうか.


2023/02/13(月)

西山清『聖書神話の解読 : 世界を知るための豊かな物語』, 中公新書 1446, 中央公論社, 1998年

勉強になった.予型論?というのかな.そういう文学の手法の種類など今後物語を読む上で知っておくべきだろうな.


2023/02/13(月)

『自衛官と家族の心をまもる-海外派遣によるトラウマ』, 海外派遣自衛官と家族の健康を考える会 編, あけび書房, 2021年

慢性外傷性脳症(CTE : Chromatic Traumatic encephalopathy)や外傷性脳損傷TBI(Traumatic Brain Injury )について学んだ
単に戦時に起きるものではなくて,軍事演習の衝撃でも起こりうるし,NFLのプレイヤーでも起こっていることなのだな.

「自衛隊の小銃は精度をあえて下げて敵をすぐに殺さないようにしている.救護に集まってきた敵の仲間も殺すため」
みたいな話が出てきたがファクトチェックが必要だと思う.
確かに戦闘不能の敵兵を増やすため,それと後送への負担をかけるためにそのような戦術や戦略は行われているが
銃の精度をわざわざ下げるというのはあり得ないのでは(自分が死ぬリスクが高まるではないか)

あまり目があたらない箇所を掘り下げている素晴らしい本だった.


2023/02/10(金)

デイヴィッド・フィンケル『帰還兵はなぜ自殺するのか』, 亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ, ,古屋美登里 訳, 亜紀書房, 2015年

悲惨.


2023/02/08(水)

ベッセル・ヴァン・デア・コーク『身体はトラウマを記録する : 脳・心・体のつながりと回復のための手法』, 柴田裕之 訳, 紀伊國屋書店, 2016年

先の読書感想とほぼ同じ.
こちらの方が臨床例が多め


2023/02/07(火)

ピーター・A・ラヴィーン『トラウマと記憶 : 脳・身体に刻まれた過去からの回復』, 花丘 ちぐさ 訳, 春秋社, 2017年

薬物療法や暴露療法の限界の指摘がためになった.
もっと積極的に心理療法を受けるべきかもしれない.


2023/02/02(木)

樋口ヒロユキ『ソドムの百二十冊 : エロティシズムの図書館』, 青土社, 2016年

澁澤龍彦や中上健次など名前しか知らない作家たちの作品の面白さを知ることができてありがたかった.
バタイユやサドは読む気になれないが,日本のこの系統の人なら読めるかもしれない.


2023/01/25(水)

田中博 伊賀啓太『はじめての気象学 改訂版』, 放送大学教育振興会, 2021年

全く知らない分野だったので難しいところも多かったが,気象の仕組みについて一通り頭には入った.


2023/1/28(火)

三砂ちづる『セルタンとリトラル : ブラジルの10年』, 弦書房, 2022年

母子保健や公衆衛生を専門とする著者がブラジルの北東部に住んで感じたことを書いたエッセイ.
ノルヂスチでは生と死は極めて近い関係だという論考には同意したが,その他の母乳育児と母子保健の関係については
著者の主張が正しいのか確認しないとわからない.母乳育児を推している.


2022/12/30(金)

鳥原学『教養としての写真全史』, 筑摩選書 0221, 筑摩書房, 2021年

当たり前だがこの本を読めば写真が上手くなるということはない.
じゃあなぜ写真の歴史を学ぶのかと言われたらわからない.
技術史に学ぶことは写真の作り方を知ることには役立つだろうが,この本はそういう本でもない.
過去にこういう写真があったという紹介がたくさんあって,あぁそうですかで終わるだけの本ではある.
教養とはそういうものでいいのだろうし,この本は面白いのだけど,
これを読むより自然観察やデッサンをする方が有意義に生きていけるだろう.
これ以上知識が増えて何になろうか…


2022/12/27(火)

平田オリザ『演技と演出』, 講談社現代新書 1723, 講談社, 2004年

ちょっとだけ読んだ.
演劇がいつ始まったのかわからないという演出を平田オリザの劇で観たことがあるが
この人の気に入った演出であるらしい.


2022/12/20(火)

佐々木雄一『近代日本外交史 : 幕末の開国から太平洋戦争まで』, 中公新書2719, 中央公論新社, 2022年

帝国主義は大国主義同士のルールがあって,日本もそのルールを幕末に学んでから大国として立ち回ったよという話.
帝国主義のハウツー本として優れている.でも帝国主義の法的な根拠というのがどこにあるのかとかがよくわかんない.
国際連盟ができてさまざまな条約ができて帝国主義に翳りがみえてくるという流れはわかるのだがその始まりはどこにあるのだろうか


2022/12/14(水)

石本正 浜田市立石正美術館『石本正と楽しむ裸婦デッサン』, とんぼの本, 新潮社, 2009年

裸婦画で絵に入門することを勧める本.なぜなら相手との対話が成り立つのでやる気が出るらしい.
ラブドールを撮影したときは,コミュニケーションが成立しそうでしないのがもどかしかったので
確かにコミュニケーションの取れる相手を描くのはいいだろう.でもそれがヌードである理由はわからない.
ヌード以外にもありそうだけども.


2022/12/01(木)

石川明人『キリスト教と戦争 : 「愛と平和」を説きつつ戦う論理』, 中公新書2360, 中央公論新社, 2016年

宗教が戦争を引き起こすみたいな素朴な考えに対する反証を地道に繰り広げている.
キリスト教の内部でもjus in bellumは伝統的に議論されてきたという指摘など.


2022/11/28(月)

小谷賢『日本インテリジェンス史 : 旧日本軍から公安、内調、NSCまで』, 中公新書2710, 中央公論新社, 2022年

この手の本は『特務』があるじゃないかと思いながら読んだのだが,
こちらの本は日本軍の解体によってできたインテリジェンスの空隙を警察組織が埋めてきた経緯にフォーカスしていて話のダブりを避けていた.
なるほどと思った点は,よく見かける批判として,駐在武官は大使館公電以外に安全な通信手段がないため外務省経由でしか防衛省に連絡できないことが 非効率だというものがあるのだが,この本ではそれだけでなく,政治とインテリジェンスの分離という点からも政策官庁である外務省が インテリジェンスに関わる状況を批判していた.気づいていなかったが歪な状況だ.


2022/11/28(月)

今橋朗 徳善義和『よくわかるキリスト教の教派 新装版』, キリスト新聞社, 2007年

まだ私はこの世界への馴染みが薄いので,教派の名前はわかってもそれ以上の情報が頭に入ってこなかった.
しかしとにかく色々な教派があることや,その中でも共有している規範があること, そして日本のミッションスクールはさまざまな教派によって設立されていることなど基本的なことはわかった.
もう少し勉強してから再度読もう.


2022/11/18(金)

砂川文次『小隊』, 文春文庫 す27-1, 文藝春秋, 2022年

元自衛官の描く架空戦記短編集といえばいいのだろうか.
表題作の『小隊』は陸自の歩兵部隊の小隊長が釧路付近で南下してくるロシア軍と壮絶な戦いと敗北を経験するというもの
銃器の描写や心理描写の一つ一つに軍人の目線としてのリアリティがある一方で
死の恐怖が増しゆく一方で,現実逃避なのか目の前のもの以外を夢想しがちという人間の極限状態の哀れさを描いている.
部隊となる国道付近以外にも北海道の地名がいくつか出てくるのでGoogle マップを確認しつつ,
難しい言葉は適宜防衛用語辞典?(実は未読)を確認しながら読みましょう!
私も防衛用語辞典手元に欲しいわ.

ロシアのウクライナ侵攻でこの本が話題になったとかで,図書館で半年以上待ちました.

追記_20221119
『小隊』はかなりいい小説だった. 軍の人間が訓練や戦闘で極限状態に追い込まれると過去のことばかり思い返してしまって生きている実感がなくなるという話を繰り返していたのだが,別に軍に限った話ではなく仕事嫌いの人はみんなそうなのだろう.
そして著者は傭兵や戦場にいる兵士は戦闘で死ねるだけ訓練やそれ以外の単調な人生(就活してスーツ着て働くような)よりマシだと考えているのがわかる
働いているときに考えていることって昔のこととこんな生き方してて何になるんだろうという絶望というかそんなものだよな
あの椅子にいる上司は権謀術数に優れている嫌なやつで,ぶよぶよした身体で錦糸町にいって女の子と遊んでどえらい笑顔になっているんだなということと,自分がそういう人と口をきくのもおこがましいが同じ場所にいて全部どうでもいいと思っていることと,そういうことが頭のなかを渦巻く
『小隊』みんな読め


2022/11/18(金)

宮田章『霞ケ関歴史散歩 : もうひとつの近代建築史』, 中公新書 1649, 中央公論新社, 2002年

そもそも霞ヶ関になんで官庁が集まったのというところから始まり
近代化のために外国人を高級で雇い重厚な建築物を建てた時代を経て
日本人自らが設計するようになるまでの霞ヶ関(永田町なども含む)を歴史的な視点から描いた新書.
霞ヶ関を散歩コースにしたいので読みました.
これぞ新書というような面白い内容盛りだくさん.


2022/11/14(月)

野添文彬『沖縄県知事 : その人生と思想』, 新潮選書, 新潮社, 2022年

沖縄知事の伝記.
返還前の沖縄の行政府について米軍の持つ力の強さがどこまで強かったのかなどあまり考えたことはなかったな.
沖縄県知事は日米安保や地位協定の歴史を通じて全員名前は見たことあるが,それぞれのスタンスの違いや
小泉以降の自民党が戦後を引き摺らないという意味で沖縄知事に冷淡であることもよくわかった.
というかむしろ小泉より前の自民党がいかに沖縄へかなりの同情と申し訳なさを感じていたことを知らなかった
(橋本や小渕は沖縄に縁があったのは知っていたが)
世代交代によって本土にとっても沖縄にとってももはや米軍基地が存在することが当たり前になりつつあるということが
最後の方に指摘されていた.
沖縄の保守は本土の保守とも異なり,沖縄の革新は本土の革新よりもリアリズムで外交も重視していた.


2022/11/02(水)

小栗献『よくわかるキリスト教の礼拝』, キリスト新聞社, 2004年

教会に行って過ごすにはのハウツー本.著者はプロテスタントの牧師をドイツでやっているようで,宗派や国ごとの比較が興味深い.


2022/10/31(水)

宮下規久朗『刺青とヌードの美術史-江戸から近代へ』, NHKブックス1109, 日本放送出版協会, 2008年

パラ読み.胡散臭いが面白い.どの程度実証的なのかは謎. 日本は女体像が非常に街中に多く題名はヌードの歴史とはかけ離れたものが多いので奴らはわかっていないとご立腹だった.
明治時代くらいまでは日本では裸を見せることへの羞恥心が少なかったというよくある話.これは歴史書で確かめたい.
それに加えて日本人は吉原の遊女の裸体に興奮するのではなくて,彼女らの身につける高級な布に興奮していたのだみたいな話が載っていた.
証拠が欲しい.しかし面白い.
また刺青は裸体を彩るものとして人気があったが,裸体で闊歩する人間が出るので政府は禁止したらしい.
ところがデンマーク国王や英国王子などが刺青を日本で入れるものだから,政府の面目は丸潰れだったとか.
この辺りの出来事については詳しそうな本を見つけてあるので確認予定.

また日本のヌード美術史では,黒田清輝が裸体がを始めたが,西洋のプロポーションには敵わないため,顔以外は西洋人の裸体の写真を参考にしたのだとか.
その後日本の裸体画はシュールレアリズムなどの登場によってデフォルメされた形で日本人そのままのプロポーションで描く試みが始まっただとか.
この辺りの歴史も面白そうなので別の本で調べてみたい.


2022/10/30(?)

『フィルムカメラの撮り方BOOK : いますぐ35mmフィルムカメラがはじめられる! : フィルム写真の魅力がわかる!』, 玄光社, 2013年

ちゃらちゃらしやがってふざけんなという気分になったが,そういう男性たちが女性の美術業界参入を妨げているということになっていると 写真業界では考えられがちなので私は言動に気をつけた方がいい


2022/10/30(?)

ジョン・バットドーフ『最高のモノクロ写真の創り方 : スナップ写真をアート作品に仕上げる』, 早川廣行 監修 澁川 亜季訳, ピアソン桐原, 2012年

デジタルカメラの写真をいかにかっこよくBWで仕上げるかという内容だったので縁がない世界だった.
デジタルのBWになんの魅力があるのかわからない.


2022/10/30(?)

岡嶋和幸『写真構図の教科書 : 光で思いどおりに描くための写真の手引き』, インプレスコミュニケーションズ, 2013年

いろんな構図がある.知っているのも知らないのもあるが,そもそもコンパクトカメラ向きでもないなとは思った.
あと光の副次的な効果を知るより光そのものの撮り方を私は知りたいのだとわかった.


2022/10/29(?)

ブレンドン・J.キャノン 墓田桂 編『インド太平洋戦略 : 大国間競争の地政学』, 墓田桂 監訳, 中央公論新社 , 2022年

インド太平洋概念がどのように生まれて育ったのか,そしてその限界はどこなのかを明らかにしようとする本
一帯一路戦略と比べた場合,ユーラシアへのアプローチが弱いという指摘が面白かった.
FOIPは地政学というよりも海洋戦略であるので,一帯一路と比べると陸上の戦略に欠けるとのこと
またオーストリアやインドからの視点について詳しく掘り下げられているなど読み応えがある.
安倍晋三の遺稿も載っていることからまさに安倍晋三のレガシーを今後どのように活かすかという
決意を感じさせる本でもあった.
手元に欲しい. というか途中までしか読めてないので再度予約中.


2022/10/26(?)

小川六朗『世紀の刑場-巣鴨プリズン : 写真集』, 戦犯叢書 7, 国書刊行会, 1982年

戦犯叢書ってなんだろうと思ったがおそらく極東裁判に妥当性がないということを訴える目的の本.
昭和の遺物という感じだ.
論文も載っていたが別に現代の議論を読めばいいのでパスした.
例の僧侶の写真をいくつもみれたのがよかった.


2022/10/19(?)

長島有里枝『「僕ら」の「女の子写真」からわたしたちのガーリーフォトへ』, 大福書林, 2020年

わからない言葉ばかりなので写真だけ見ておいた.


2022/10/??(?)

野本寛一『神と自然の景観論 : 信仰環境を読む』, 講談社学術文庫 1769 , 講談社, 2006年

神秘的な風景を見つける手助けになるかなと期待して開いたが,求めているのとは別の内容の本だった.
割と怪しい民俗学の本だったが,載っている写真で面白かったのは東京都の火山島で噴火後の斜面の木々がたったまま燃え尽きていて 終末論ぽい風景だったことだ.
振り返りとして沖ノ島についての記述を読んだ.あの島で女神の嫉妬を買わないように言葉遣いに気をつけねばならないらしく
特殊な言い換えが用いられるとのこと.


2022/10/??(?)

マリオ・ジャコメッリ『MARIO GIACOMELLI : 黒と白の往還の果てに』,アレッサンドラ・マウロ編 岡本太郎 イタリア語訳 青山勝 フランス語訳 小林美香 英語訳, 青幻舎, 2009年

白と黒との階調が非常に狭い.どうやって撮っているのかと思って露光時間を増やすなどしてみたがうまくいかない.
多分現像でなんとかしているのだろう.
現像の勉強がしたいがいい本がない,古い本で探すべきなのだろうな.
数枚見るには楽しいがずっとみていると非常に疲れる写真作品だった.


2022/10/??(?)

林忠彦 林義勝『時代を語る : 林忠彦の仕事』, 光村推古書院 , 2018年

抜群に面白かった.文豪のポートレートはこの人が撮ったものが有名なんだな.
しかし風俗写真が面白かった


2022/10/??(?)

篠山紀信『Santa Fe : 宮沢りえ』, 朝日出版社 , 1991年

サンタフェで取る必要なかったのではないか.
あと裸が多すぎるのでもう少し服を着ている方がいいなと思った.結構胸焼けするくらい裸体にうんざりした.
白黒は美しかった.


2022/10/??(?)

沢田教一 斉藤光政『戦場カメラマン沢田教一の眼 : SAWADA KYOICHI AOMORI・VIETNAM・CAMBODIA 1955-1970』, 山川出版社 , 2015年

私にとってカメラマンといえばキャパとこの人くらいしか知らない時代が長かった.
内容はあんまり覚えてない.


2022/10/??(?)

菊地俊夫 松山洋『東京地理入門 : 東京をあるく、みる、楽しむ』, 朝倉書店 , 2020年

面白話.読み流したけどしっかりした内容の本


2022/10/??(?)

木村幹『韓国現代史-大統領たちの栄光と蹉跌』, 中公新書 1959, 中央公論新社, 2008年

大変勉強になる.この本がなければ韓国政治史に入門なんてできそうにもない.
大統領たちのライフヒストリーを描いた書籍.伝記ぽい.
これの続編とか詳細版書いてないかな.
木村幹さんもっと読みたい.


2022/10/??(?)

山本章子『日米地位協定-在日米軍と「同盟」の70年』, 中公新書 2543, 中央公論新社, 2019年

わかったようなわからんような.勉強になる部分もあったが基本的に沖縄の基地問題以外に日米地位協定に本当に問題があるだろうかみたいに色々考えた.


2022/10/11(火)

兼原信克『日本の対中大戦略』, PHP新書1289, PHP研究所, 2021年

この人の歴史記述がどの程度正確かは謎である.
とにかく文体が苦手で脱落した.


2022/10/11(火)

國分良成『防衛大学校 : 知られざる学び舎の実像』, 中央公論新社, 2022年

防衛大学校がなんぞやということが制度,カリキュラム,学生生活,他国の士官学校との違いなどの点からわかりやすく書かれた本.
防衛大学校は幹部自衛官育成のため教養に力を入れているため,一般の大学とは異なり文系科目を充実化させていく流れとのこと.
また教員は完全公募制であるため,質の高い研究者がくるが,同じテーマの継続が難しいのだとか.
ただサイバー空間の防衛に関する研究も積極的に進めているのだとか.


2022/10/08(金)

園部逸夫『皇室法入門』, ちくま新書 1470, 筑摩書房, 2020年

これは皇室法というのは,政治的に危ないことが多すぎてかなりトリッキーというか
著者自身もかなりトリッキーな議論を物腰柔らかく行なっているのがおかしい.
議論の前提として出てくる国民からの皇室への敬意というものは果たしてどのくらいあるものかしら.
皇室の後継者の問題は独立した問題がいくつも絡んでいるので,それぞれ分けて考えられるように読者を導くという方針の本


2022/10/06(木)

ポール・ラパリチオ『良いスウェーデン、悪いスウェーデン : ポスト真実の時代における国家ブランド戦争』, 鈴木賢志訳, 新評論, 2019年

post truth時代にスウェーデンの国家ブランドが試されているという話.
なぜそうなるかというとスウェーデンは社会民主主義国家として成功しているため,
社会民主主義国家のブランドに傷がつくように見えると見做される事件が発生すると
規模や文脈を無視して拡散され米国の保守系メディアなどから移民政策や社会福祉政策が失敗した例として
紹介されてしまうからだ.著者はスウェーデンの情報公開を高めることやスウェーデンの良いニュースを民間が流すことが
対抗策になると考えている.
スウェーデンの悪口本かと思っていたら随分違う内容だった.
著者はスウェーデンのローカルニュースを英語で発信するサイト”the local”を立ち上げている


2022/10/04(火)

臼井勝美『日中戦争 : 和平か戦線拡大か 新版』, 中公新書 1532, 中央公論新社, 2000年

日本側や国際連盟の人名はなんとかわかるものの,中国人の名前で手こずる.
また地図を見ながらでも位置関係がわからず軍がどこまで侵攻したのかなど追っていけない.
この本自体に非はないのだが,私がついていけないので,まずは図説の本を読むべきだろう.


2022/10/03(月)

宮城大蔵『現代日本外交史 : 冷戦後の模索、首相たちの決断』, 中公新書 2402, 中央公論新社, 2016年

知っている話ばかりだろうと思っていたら,そうでもなくアジアとの外交について記述が多く勉強になった.
また小沢の安全保障路線は日米同盟への代替として国連中心の志向であることがわかったが,それがどのような射程をもつのか
これから知りたい.
さらに民主党保守を自認する野田はかなり強気の外交を行った.結果として日韓関係は大きく悪化した.
李明博大統領の竹島上陸という事件は,最悪の事態だった.もはや笑うしかない. 日本は通商国家として経済大国になったが,近隣と領土問題や歴史問題,そして国内でも沖縄問題を抱えていて 単純な国際政治のパワーゲームでの脆弱性があるように見える.
アジア諸国との外交に前向きな進展のあることを願う.


2022/09/25(土)

五十嵐清『比較法ハンドブック』, 勁草書房, 2010年

難しい.社会主義法,大陸法と英米法の違いついてなんとなく理解したがそれ以外は何もわからず


2022/09/25(土)

山本栄二『北朝鮮外交回顧録』, ちくま新書 1638, 筑摩書房, 2022年

著者は現場で北朝鮮の外交手腕の強かさをひたすら見せつけられてきた人.
KEDOや第一次核危機での北朝鮮の外交手腕の上手さは神がかっているように見えた.
著者の指摘通り,核戦略が金王朝の持続に必要不可欠であるのなら,地域の安全保障環境は外交手段ではどうにもならないように思える.
KEDOや6ヶ国会議にしろ米韓日の足取りを揃えるのは非常に難しいこともわかった.
韓国政治史と従軍慰安婦問題は調べるべきだ.後者は何を読めばいいかもわからず気が滅入る.
記述スタイルとして歴史的な戦後関係が分かりにくかった.北朝鮮との外交史は経済制裁の関係と併せて自分で整理した方が良さそう.


2022/09/22(木)

福田邦夫『貿易の世界史 : 大航海時代から「一帯一路」まで』, ちくま新書 1538, 筑摩書房, 2020年

トランプが米政府がHuaweiなどの中国のメーカーとの取引をすることを禁止したのは根拠のないプロパガンダだみたいな記述が序盤にあり,
ストレスがかかりそうなので読むのをやめた.
短絡的ですんません.
どちらにせよもうちょい硬めの本がいい.


2022/09/22(木)

黒江哲郎『防衛事務次官冷や汗日記 : 失敗だらけの役人人生』, 朝日新書 850, 朝日新聞出版, 2022年

内局や内閣官房で働いた著者の体験談をまとめたもの.とにかく板挟みの中でコミュニケーションを頑張っていた.
自衛官が戦地に行けないからこそ外交官が死ぬことがあるという話が印象に残った.


2022/09/22(木)

篠原初枝『国際連盟 : 世界平和への夢と挫折』, 中公新書 2055, 中央公論新社, 2010年

頻繁に引用元となっていた本.途中まで読んでいたが最初から読み直した.
国際連盟は二度目の大戦を防げなかったが,それでも人道支援や感染症への対応など,戦後の国際連合につながる実績を残した.ということが重要.
また日本人も国際公務員としても活躍していたが,当時の日本政府には日中戦争の問題を国連で取り上げられたくないという理由から,国連を客観的に評価できないところがあった.
大国として常任理事国に選ばれた日本ではあったが,一部を除いてはまだ国際協調という考えは,馴染みがないどころか,政府方針に背くものだった.
これが日本の国際連盟脱退とその後のドイツ脱退に繋がっていく.
大戦中も国際連合はいくつかに分かれて人道支援などの活動を続けていたことも立派だった.


2022/09/21(火)

小林弘忠『巣鴨プリズン : 教誨師花山信勝と死刑戦犯の記録』, 中公新書 1459, 中央公論新社, 1999年

仏教研究者である花山勝信からみた巣鴨プリズンの様子を花山の視点から描こうとするノンフィクションといえばいいのか.
花山は戦犯たちに死を受け入れろと説くうえで多くは語らなかったが,戦犯の死が平和のための礎になると戦犯たちは悟ったようだ.
戦犯たちは悩みながらも花山と対話するが,親鸞のように俗でいいのだと受け入れていく.
花山には戦犯たちはただ戦争に敗れたがために死ななければならないが,それでも運命を受け入れて捨身飼虎を行っていると捉えたようだ.
大変感動的であった.
しかし.A級戦犯にしてもBC級にしても彼らの罪は国際秩序を破ったことではないのか.
戦争に負けたからという理由ではなくて,日本が国際法違反を繰り返し国際連盟の大部分を機能不全にしたからこそ多くの人間が死ななければならなくなった.
そのように戦犯も花山もそのような視点から考えられなかったのだろうか.


2022/09/20(月)

古川隆久『 昭和天皇 :「理性の君主」の孤独』, 中公新書 2105, 中央公論新社, 2011年

大正デモクラシーの中で育ち,進化論や立憲君主制を知った人間が現人神として振る舞わざるをえなかったことの苦しさを感じだ.
また当人は国際協調を望みながらも青年将校たちは,天皇の意を組んでクーデターを起こしたことも虚しい.
開戦が避けられず東條英機が天皇の前で涙したというのも印象に残った.
天皇の権力は,政治に関わらないことで担保されてきたので,最高権力者でありながら聖断には慎重にならざるを得ないというジレンマも苦しい.
明治憲法のシステムは誰が何を考えているのかわからないまま日本の拡大路線に進んでしまった.どうすればよかったのかわからない.
あのシステムの何が悪かったのかどのように分析すればいいだろうか.
少なくとも民衆やメディアは抑圧されていたみたいな見方は妥当ではないだろう.
この半年ほど前までは自分の歴史観というのは少しも実証的でなかった.


2022/09/18(日)

岩田清文 武居智久 尾上定正 兼原信克『自衛隊最高幹部が語る令和の国防』新潮新書 901, 新潮社, 2021年

現場の人たちの危機感が伝わってくる.しかしもう何もかも手遅れじゃないのかという気もする.
ここから台湾有事までどこまでまともな状況に行けるだろうか.


2022/09/18(日)

辻田真佐憲『文部省の研究 :「理想の日本人像」を求めた百五十年』, 中公新書 1791, 文藝春秋, 2017年

大変面白い.道徳教育が教育の核心部分なんじゃないかというほど重要なものにみえてきた.
グローべリズムとナショナリズムの間で揺れ続けるという点では同じことをずっとやっているものだな.
道徳教育学会か何かが出している資料集に目を通したい.


2022/09/18(日)

内藤高『明治の音 : 西洋人が聴いた近代日本』, 中公新書 1791, 中央公論新社, 2005年

明治時代はちょうど近代化によって日本の音が西洋の音によって打ち消されようとした時代だった.
今の私がいくら当時の音を想像してもそこに戻ることはできない(庭先で三味線を弾く人や下駄の音が生み出すサウンドスケープには出会えない)
当時の西洋人が明治の日本に感じたように明治の音はノスタルジアだ.


2022/09/??

吉田裕『日本軍兵士 : アジア・太平洋戦争の現実』, 中公新書 2465, 中央公論新社, 2017年

たくさんの死に方がわかって楽しい!


2022/08/??

『ロバート・キャパ写真集』, 岩波文庫, 岩波書店, 2017年

戦争写真家ではあるけど.戦場のダイナミズムや悲惨さを伝えるのではなく,あくまでもポートレイトを撮ろうとしたんだろうな.


2022/08/??

加藤哲郎『戦争写真家ロバート・キャパ』, ちくま新書, 筑摩書房, 2004年

キャパとイングリット・バーグマンが結婚を考えるほどの仲だったとのこと.
戦争カメラマンをよく死ぬものだ.


2022/08/??

鈴木美勝『北方領土交渉史』, ちくま新書, 筑摩書房, 2021年

ロシアとの交渉は,平和条約と領土返還のどちらを立てるかみたいなところがあるようだ.
まだ政府の中でも誰が主導権を取るかを巡って外務省や議員たちの主導権争いも熾烈だった.
ゴルバチョフの改革の風というのは北方領土交渉においてはほぼ感じられなかったというのも興味深い.


2022/08/??

小林義久『国連安保理とウクライナ侵攻』, ちくま新書, 筑摩書房, 2022年

2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻を冷戦史の流れから説明する本.
また安保理改革の困難さや国連の人権部門の歴史についても詳しい.
安保理が機能不全とはいえ,国際連盟時代からの人権部門が機能を果たしていることを忘れるなという話だった.


2022/08/??

村田晃嗣『米国初代国防長官フォレスタル : 冷戦の闘士はなぜ自殺したのか』, 中公新書, 中央公論新社, 1999年

ウォール街から政治の世界にでて,そして大した稼ぎもないのに国のために働くという人がかつての米国には多くいたということがわかった.
ビジネスでの人脈を活かして仕事をしていた.


2022/07/27(火)

佐藤 卓己『言論統制 : 情報官・鈴木庫三と教育の国防国家』, 中公新書, 中央公論新社, 2004年

中公にとっては多少都合が悪い本だろうが,これを新書で出していてえらい.


2022/07/27(火)

前田哲男『自衛隊 : 変容のゆくえ』, 岩波新書, 岩波書店, 2007年

中公新書の自衛隊史の書籍の参考文献に上がっていたので開いてみたが,
左派的なノリの文章で疲れるので断念.でも在日米軍本よりかはいい本そう.
しかし護憲と被曝を核にした平和立国みたいなことが最終章に書いてあって,そのうち検討したい.
ていうか岩波書店というのは護憲・反核の立場なのだろうけど,岩波書店の名義でそれを明らかにしているものはないだろうか.
どちらにせよ,日米同盟で戦争に巻きこまれるみたいな文章がこの手の立場の人からはよく出てくるのだが,
同盟のメリットも知ったうえで,また日米同盟で有事の際にコストを多く払うのが米国であることを知ったうえでこのような表現なのだろうか.
あまりにも視点が自分とは違う.同じ世界を見ているはずなのにどうしてこのようなことが起きるのだろうか.
驚くというより,人間の思考の多様であることに疲れ果てている.
苛立ちのあまり岩波書店が憎たらしくなった.帰責の誤りだろうか.


2022/07/27(火)

梅林宏道『在日米軍 : 変貌する日米安保体制』, 岩波新書, 岩波書店, 2017年

左派的なノリの文章で疲れるので断念.著者と会話して話が通じる気がしない.


2022/07/24(日)

田村重信 佐藤正久 編『教科書・日本の防衛政策』, 芙蓉書房出版, 2008年

米軍再編も3.11も2014年のロシアのクリミア併合も起こっていない時代に書かれた本なので,なんとなく今より牧歌的に感じるところがある
防衛費の予算編成や米軍の組織編成など,他の本では触れられてない内容が載っているのが特徴.
ガイドラインや大綱の歴史も載っている.基本的に歴史については簡単な記述のみ. 別のタイトルの本を再編集した書籍なのだとか.


2022/07/23(土)

岩田清文, 武居智久, 尾上定正, 兼原信克『自衛隊最高幹部が語る台湾有事』, 新潮新書 951 , 新潮社, 2022年

おじさんたちが対談している本.ではなく台湾有事について幾つかのシナリオをもとにオープンな机上演習をしている画期的な本.
これまで机上演習や政策シミュレーションの結果は拾い聞きしてきたが,そのどれよりも細かく,その分悲惨.
国がサイバー攻撃や邦人救助でかなりの苦戦を強いられることがわかる.また準天頂衛星はグレーゾーンで間違いなく攻撃対象になるだろうし, そのとき軍民問わず,ITインフラが受けるダメージを考えてゾッとした.
半島を出よを読んでいるような面白さはある.
かなり面白いのだけど,なんの予備知識もない人がこの本を読んだら陰謀論として受け取るのではないかしら.


2022/07/23(土)

千々和泰明『戦後日本の安全保障 : 日米同盟、憲法9条からNSCまで』, 中公新書, 中央公論新社, 2022年

防衛大綱やガイドラインがどういう経緯から生まれたものなのかをそれぞれ説明する章がある.
これまでに読んだことがない内容で,防衛省内部の政治的対立がわかる面白い内容だった.
これまでに読んできた防衛省幹部本や自衛隊史の本が新たな観点から整理された.


2022/07/21(木)

谷村昇 , 鳥越けい子 編『現代のエスプリ No.354 : サウンドスケープ』 , 至文堂 , 1997年

いろんな論文が載っているがポストモダンぽい雑な整理と雑な批判(西洋中心主義だからダメ,人間中心主義だからダメ)で目も当てられない. 97年でもこんな状況だったのか…
ギャグなのかもしれない


2022/07/21(木)

鳥越けい子『サウンドスケープの詩学 : フィールド篇』, 春秋社, 2008年

文化人類学者からサウンドスケープ概念を批判されているがそれは誤解だという反論の章があった.
文化人類学者はサウンドスケープ思想が,良いノイズと悪いノイズみたいなのを自然と人工のような区分で分けていると指摘.
それに対して鳥越は誤解であると反論しているが,シェーファーは悪いノイズから私たちを守ろうとしたのでないかしら.
しかし文化人類学者たちの批判の根拠は不明.なぜその区分がいけないのかというのはよくわからない.


2022/07/21(木)

生物音響学会 編『生き物と音の事典』, 朝倉書店, 2019年

鳥の章だけ読んだ.見開きで1 topicずつがまとまっていてめくるだけで楽しい.


2022/07/11

篠田英朗『憲法学の病』, 新潮新書, 新潮社, 2019年

東大法学部の憲法学者たちの憲法学が19世紀ドイツ法学の影響をうけていて,二度の大戦を得たあとの国際法の知識と不整合だという指摘をしている本
これによって9条の解釈論争は歪な方向に傾いているということをネチネチ指摘して面白い.
いくつかの議論は国際政治学者が行う日本の憲法学批判として見たことがあったが,こうやって本にまとめて実証的に指摘してくれていたのは知らなかった.
内閣法制局について詳しくないのだが,著者の言うとおりなら,法というものを無茶苦茶に扱うやばいイデオロギーの奴ら(東大憲法学)のポストということになる
この著者の学術書もいくつかあるのでそれを読んでおいた方がいいな.


2022/07/10

尹載善『韓国の軍隊 : 徴兵制は社会に何をもたらしているか 』, 中公新書 1762, 中央公論新社, 2004年

著者名はユン・ジョンソンと読む.
とても面白かった.日韓の違いとして軍事文化があることを念頭において,日本に韓国の徴兵制の制度,内部の人の生き方を紹介する本.
徴兵制される人や徴兵された人の文章がいくつも載っていて,いきいきとした経験として韓国の軍事文化を知ることができる.
ちょっと古いので念頭に置かれている国際関係の記述であれ?っとなることはあるが,とても研究書としてもエッセイ集としても読み応えがある
全く韓国軍の歴史や軍組織に馴染みがない人は,想像が追いつかなくて難しいかもしれない.


2022/07/07

松岡完『ベトナム戦争 : 誤算と誤解の戦場』, 中公新書 1596, 中央公論新社, 2001年

章ごとに異なる視点から同じ時代を何度も見るのだが,章タイトルが抽象的でなんの話を始めるのかわかりにくいのがよくない
インドシナ半島の歴史からすると第一次から第三次インドシナ戦争までをひとつの流れになっているのだな.
そしてそれがクメールルージュにも繋がっていく.
ベトナム戦争はいつからいつまでなのかというのは分かりにくいようだ.
そもそも米国からすればこれは戦争ではないようだ.
当時の情報分析についてはレッドパージによってアジア専門家が少なかったことにも問題があったようだ.
これに限らず,政治家主導の戦争で,米軍は振り回されていたように見える.
南ベトナムやカンボジアの政治腐敗も凄まじいものだった.民主主義国家設立というのも名目だけで全く実態が伴っていなかったことを知った.
とにかく読み応えはあった.


2022/07/05

高田里恵子『学歴・階級・軍隊 : 高学歴兵士たちの憂鬱な日常』, 中公新書 1955, 中央公論新社, 2008年

高学歴兵士と言っても,理系と文系では待遇が違うし,時代によっても予備役に入れるかも違うしで,いろんな高学歴兵士同士にもルサンチマンが渦巻いていたとのこと.
朝日・岩波・東大法学部が戦時中から既に左派というかなんというか恨まれていたのは面白かった.


2022/07/01

江畑謙介『軍事とロジスティックス』, 日経BP社, 2008年

ロジスティックスだけの話かと思いきやPMSCなどへのアウトソーシング,そして補給部隊がテロの標的になるという話
軍のアウトソーシングはそもそも費用節約になっているのか?という問題提起にもつながっていた.
陸軍や海兵隊が民間船に装備を載せてすぐに展開できるように準備しているというのには驚いた.
なんやかんや言ってもさすが世界一の米軍だ


2022/06/30

辻田真佐憲『防衛省の研究 : 歴代幹部でたどる戦後日本の国防史』, 朝日新書 844, 朝日新聞出版, 2021年

自衛隊史に乗っている人たちをわかりやすく紹介する本.
特に真新しいことは載っていないが,とっつきにくい話題に人物伝から入門するのはありだと思った.
でもこれ読むくらいの人はそもそも自衛隊史先に読んでそうな気がする.


2022/06/29

バーニー クラウス『野生のオーケストラが聴こえる : サウンドスケープ生態学と音楽の起源』, 伊達淳 訳, みすず書房, 2013年

サウンドスケープ生態学の通り,サウンドスケープからその場所の生態系を読み解くことができるという本
目よりも耳のほうが自然のことはわかりやすいということだと思う.
静かな場所に行きたい.


2022/06/28

渡辺靖『文化と外交 : パブリック・ディプロマシーの時代』, 中公新書, 中央公論新社, 2011年

最も効果的なプロパガンダは,プロパガンダをしないことだみたいな話.パブリック・ディプロマシーはビジネスでもないよとのこと.


2022/06/24

日本再建イニシアティブ『民主党政権 失敗の検証 : 日本政治は何を活かすか 』, 中公新書, 中央公論新社, 2013年

民主党政権が内部から壊れていったことがわかった.小沢さんが情報の引き継ぎしなかったのはわざとなんだろうか.


2022/06/20

防衛省 原文, 志葉玲 監修『自衛隊イラク日報 : バグダッド・バスラの295日間』, 柏書房, 2018年


2022/06/20

山本健『ヨーロッパ冷戦史』, ちくま新書 1550, 筑摩書房, 2021年

東欧や西欧にフォーカスした冷戦史.ドイツの統一をめぐって西側陣営でも意見の対立が激しかった.


2022/06/20

東京外国語大学語学研究所 編『世界の言語ガイドブック〈2〉アジア・アフリカ地域』, 三省堂, 1998年

ヨーロッパ編と比べてローマ字以外の言語が多いので難易度が高いがov型などこれまでみなかった言語が登場する.


2022/06/14

井上尚英『生物兵器と化学兵器 : 種類・威力・防御法』, 中公新書 1726, 中央公論新社, 2003年

面白かった.731部隊やオウムがBC兵器を持っていたことがテロの方法として示唆するものは大きかったようだ.
一次文献は多いだろうから読んでみたい.この著者の犯罪捜査本やWW1の毒ガス本も面白そうだ.


2022/06/14

青木謙知『世界最強!アメリカ空軍のすべて : 戦闘機から攻撃機、爆撃機、次世代機まで、保有戦力の全貌がいま明らかに!』, サイエンス・アイ新書, SBクリエイティブ, 2011年

空挺部隊とヘリ部隊について学んだ.ヘリはどこでも離着陸できるというのが唯一のメリットみたいね.


2022/06/14

かのよしのり『航空部隊の戦う技術 : 空を制するものが戦場を制する』, サイエンス・アイ新書, SBクリエイティブ, 2017年

空挺部隊とヘリ部隊について学んだ.ヘリはどこでも離着陸できるというのが唯一のメリットみたいね.


2022/06/13

柿谷哲也『知られざる空母の秘密 : 海と空に展開する海上基地の舞台裏に迫る』, サイエンス・アイ新書, SBクリエイティブ, 2010年

強襲揚陸艦と空母の違いだけでも覚えて帰ってね.みたいな内容の本だった.


2022/06/12

柿谷哲也『海上保安庁「装備」のすべて 海の治安と安全をつかさどる警備隊の実力に迫る』, サイエンス・アイ新書, SBクリエイティブ, 2012年

自衛隊よりも装備に秘密が多いようにみえるけどどういう事情なのだろう.軍事組織とはまた違った事情があるのだろうな.


2022/06/12

毒島刀也『陸上自衛隊「装備」のすべて 知られざる戦闘力の秘密に迫る』, サイエンス・アイ新書, SBクリエイティブ, 2012年

待ち伏せ特化の装備が多いんだな.とはいえ対人地雷がないのが痛いことがわかった.


2022/06/12

赤塚聡『航空自衛隊「装備」のすべて : 「槍の穂先」として日本の空を守り抜く』, サイエンス・アイ新書, SBクリエイティブ, 2016年

ミサイルの種類は意外と少ないのね.なんか陸海空の戦略がそれぞれ噛み合っていなくて実戦でうまく連携が取れる気がしない.
離島奪還の時に空自は対地の支援攻撃する手段あるのだろうか.


2022/06/12

毒島刀也『海上自衛隊「装備」のすべて : 厳しさを増すアジア太平洋の安全を確保する』, サイエンス・アイ新書, SBクリエイティブ, 2016年

待ち伏せ特化の装備が多いんだな.


2022/06/11

かのよしのり『重火器の科学 : 戦場を制する火砲の秘密に迫る』, サイエンス・アイ新書, SBクリエイティブ, 2014年

”国民が銃の使い方を知っていることは,民主主義の基礎です”とのこと”
軍事は政治の重要な部分であり,民主主義国家の主権者たる国民は,軍事を理解しなければ主権者失格です”


2022/06/11

かのよしのり『銃の科学 : 知られざるファイア・アームズの秘密』, サイエンス・アイ新書, SBクリエイティブ, 2012年

銃の概念の説明から始まる.銃と民主主義は切り離せないらしい.本当かは知らん.教養として銃を知りましょうという割にはこれでもかというくらい銃の内部機構に詳しい.


2022/06/11

毒島刀也『M16ライフル M4カービンの秘密 : 傑作アサルト・ライフルの系譜をたどる』, サイエンス・アイ新書, SBクリエイティブ, 2013年

ガスの排出機構がさまざまな種類であることがわかった.M16系統の銃だけでも山ほど種類が合ってMk11もその一部らしい.


2022/06/09

毒島刀也『M1エイブラムスはなぜ最強といわれるのか : 実戦を重ねて進化する最新鋭戦車の秘密』, サイエンス・アイ新書, SBクリエイティブ, 2009年

勉強になった


2022/06/09

園山耕司『戦闘機の航空管制 : 航空戦術の一環として兵力の残存と再戦力化に貢献する』, サイエンス・アイ新書, SBクリエイティブ, 2018年

勉強になった


2022/06/09

『イラストでまなぶ!ロシア連邦軍』, ホビージャパン, 2015年

改めてみると無限軌道車が多い.不整地戦前提なんだなぁ
擬人化した美少女イラストは何のために載っているのかわっぱりわからない.こんなの載せるくらいなら別の写真載せてほしい.
テキストはJSFや小泉悠が書いている.クリミア戦争やグルジア戦争についても詳しい.


2022/06/07

羽場久美子 溝端佐登史 編『ロシア・拡大EU』, 世界政治叢書 4, ミネルヴァ書房, 2011年

古いけどあまり他に載っていない中欧,コーカサス,東欧の政治を知ることができる.あまりにも知らないことが多くて目が滑ってしまい理解度はイマイチ. しかしコソヴォ空爆が何度も取り上げられていてよかった.ほどんど知らない.NATOとEUは米国がいるかどうかで随分雰囲気が違うものだ.独仏は米国に対して疑心暗鬼気味 このシリーズを他にも読んでいくと世界の国々の位置関係を覚えることができそう.


2022/06/03

佐道明広『自衛隊史 : 防衛政策の七〇年』, ちくま新書 1152, 筑摩書房, 2015年

社会党安保7人衆というのが面白かった.陸海地の自衛隊の成り立ちが全然違っていたこと,海を除いて日米の共同の訓練は最近まで全然行われていないことなど学んだ.


2022/06/01

松戸清裕『ソ連史』, ちくま新書 935, 筑摩書房, 2011年

ひとつ前に読んだ本に付け加えたような内容.ソ連が崩壊するとは連邦の内部の共和国が独立してしまって誰も残らなくなったことだったんだなと理解した.


2022/06/01

松戸清裕『歴史のなかのソ連』, 世界史リブレット 92, 山川出版社, 2005年

コルホーズとか知らないことがたくさん出てきて面白かった.ソ連経済のうまくいってなさがややわかった.ソ連の内部からの資料があるのがいい.


2022/06/01

田中拓道『リベラルとは何か : 17世紀の自由主義から現代日本まで』, 中公新書 2621, 中央公論新社, 2020年

この手政治思想の本は何も考えずに読める.国家に規制されないという自由と所有権ベースの自由はもともと違うよね見たいなことを再確認した.


2022/06/01

大山正『色彩心理学入門 : ニュートンとゲーテの流れを追って』, 中公新書 1169, 中央公論社, 1994年

ざざっと流し読み.


2022/05/25(水)

安藤幸司『カメラとレンズのしくみがわかる光学入門』, インプレス, 2019年

見かけによらずハードな本.カツオ君みたいなイラストの男の子が登場する.深度やら絞りやらよくわからんことがなんとなくわかった.


2022/05/25(水)

岡島豊樹『東欧ジャズ・レコード旅のしおり』, カンパニー社, 2021年

ソ連本と比べて参考文献もあったおかげか情報が多くて面白い.東欧各国のソ連との近さとジャズの禁止具合が連動しているのが面白い. ロマのミュージシャンなど普段聴かないような音楽がたくさん載っている.こちらは手元に置いておくと楽しいだろう.


2022/05/25(水)

岡島豊樹『ソ連メロディヤ・ジャズ盤の宇宙』, カンパニー社, 2021年

ソ連のミュージシャンがどんなことを考えて生活していたのかというのを知りたかったがバイオグラフィは少なめ. 主要作品は網羅してあるようで,ちょこちょこ聞く感じではusとジャズのレベルに大差ないのではないかという感じ. ジャズ大使本を読んでいれば知っているような内容が多かった.資料が少なくて困っている感じはした. 鉄のカーテンの影響をいまだに感じる.(単に言語の障壁も大きいだろうけど).


2022/05/25(水)

『世界の言語ガイドブック1 : ヨーロッパ・アメリカ地域』, 東京外国語大学語学研究所 編, 三省堂, 1998年

とても面白い.ギリシア語やロシア語,英語,イタリア語,ラテン語などの項目を読んだ. ディスクガイドを買うよりこの本を読んで自分でyoutubeをいじる方が楽しい. いや,ディスクガイドも必要なものだけども. 世界の言語を拾い読みして初めて,文法や文字を知る面白さがわかった. 第二巻も読むつもり.


2022/05/22(日)

稲葉義泰『ここまでできる自衛隊 : 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』, 秀和システム, 2020年

自衛隊法の入門書が他にないのでとてもありがたい.大学院生が書いたとは思えないほどの網羅的で親切な本.偉い


2022/05/22(日)

セルゲイ・レヴィーツキイ『ロシア精神史 : 哲学と社会思想の流れ』, 高野雅之 訳, 早稲田大学出版部, 1994年

わからん.


2022/05/22(日)

小野寺百合子『バルト海のほとりにて : 武官の妻の大東亜戦争』, 共同通信社,1985年

リガに赴任したあと,一旦帰国して,ストックホルムに赴任していた


2022/05/21(土)

木下郁夫『大使館国際関係史 : 在外公館の分布で読み解く世界情勢』, 社会評論社, 2009年

巻頭にある各国大使館の紹介が面白い.ここだけでも読む価値がある. 内容についてはまとまりがなくて,WW1以前に馴染みがない私にはいきなり知らない国が出てくるので厳しい. 挫折しておく.


2022/05/20(金)

井上寿一『日本外交史講義 新版 』, 岩波テキストブックス, 岩波書店, 2014年

鎖国時代の章で,日本は鎖国状態でも外交のための情報収集をしていたよという話が面白かった.
あとクウェートの看板広告で日本に対しての感謝がなかったという有名な話について,仕方ないというようなことが書いてあったのだが, この広告に日本が載っていないことについては何か裏話を読んでいて,この著者のような理解はマスメディアによる誤解だったはずだが,詳しいことは思い出せない.どこで読んだだろうか. ロンヤス外交での日米関係が結構冷めていたのにも驚いた. 国政政治史についてひととおり知った上で読まないと理解できないだろうから,そこそこの大学の学生さま向けか


2022/05/18(水)

アジア・パシフィック・イニシアティブ『検証 安倍政権 : 保守とリアリズムの政治』, 文春新書, 文藝春秋, 2022年

金融の内容が不勉強でわからなかった.実証的な研究というのはこういうものなんだなという文献だ.


2022/05/18(水)

岡田暁生『音楽の危機 : 《第九》が歌えなくなった日』, 中公新書, 中央公論新社, 2020年

つまらん


2022/05/08(日)

H.I.マルー『キリスト教史 2 : 教父時代』, 上智大学中世思想研究所 編訳 監修, 平凡社ライブラリー 168, 平凡社, 1996年

途中まで読んで時間切れのため返却.


2022/05/08(日)

バリー・パーカー『戦争の物理学 : 弓矢から水爆まで兵器はいかに生み出されたか』, 藤原多伽夫 訳, 白揚社, 2016年

  • 途中まで読んで時間切れのため返却.


    2022/05/08(日)

    喜始照宣『芸術する人びとをつくる : 美大生の社会学』, 晃洋書房, 2022年

  • 美大の予備校も美大もいかない方が幸せに生きていけそう.
    芸術を教育できるのか?みたいな問題提起を多くの学生がしているのは面白い現象だ.
    一般の大学生は考える機会もないだろう.

  • 2022/05/07(土)

    竹田賢一『地表に蠢く音楽ども』, 月曜社, 2013年

  • 浅田彰みたいなみたいな意味わからん文章の人.学集団という音楽グループを坂本とやっていたらしい.
    何についての文章なのか読んでいてもさっぱりわからない.

  • 2022/05/06(木)

    イングマール・ベルイマン『ベルイマン自伝』, 木原武一 訳, 新潮社, 1989年

  • 頭のおかしい発明家のおじさんがベルイマンにはいたそうで頻繁に失禁していた.
    身の回りのことが全くできない人らしい. ”彼のことを尊敬していた私は,実はカールおじさんは四人の兄弟の中でいちばん頭がよかったが, 弟のアルベルトに妬まれて,ハンマーで頭を殴られたために,一生涯,頭がおかしくなったのだという, シーグネおばさんの言葉を信じていた”
  • "日曜日,エールランド・ユーセフソンと私は劇場の私の部屋でヨハン・セバスチャン・バッハ について話していた.旅から帰ってきたバッハは,留守中に妻と二人の子供が死んだことを知り, 日記に,「恵み深き神よ,どうか私が喜びを失うことのないように」と記した”
  • ベルイマンが癌で死のとこにある友人を見舞いに行ったときその友人は" 「こうして指だけは動かせる. こうしているだけで気晴らしになる」"といった.ベルイマンはこれがバッハのいう喜びだと考えていたようだ.
  • ベルイマンは高揚する精神によって狂気か虚無に陥るのではないかと危惧していたようだ.
    ”いつも準備はしておかねばならない.戦線を整えてもいつ戦いに破れるかもしれぬ. 何か他のことを期待してはならない.陽気な狂気のなかに生きていながら,ベルイマン は永久に無傷でいられるのだろうか.役者には何か特例はないのかと,『第七の封印』の中で 旅芸人のスカートは生命の樹の頂上にしがみつきながら質問する.役者に特例はない,と死神は答え,樹を鋸で伐り倒す”
  • ”ここにいるのは,不倶戴天の敵ではないか.そんなやつはくたばってしまうがいい. いまやこいつは書き散らしてきた駄文の報いを受けているのだ.こいつの墓の上で踊ってやろう. 未来永劫,地獄で自分の劇評でも読んでいるがいい”

  • 2022/05/05(木)

    G・ウィリアム・ジョーンズ『ベルイマンは語る』, 三木宮彦 訳, 青土社, 1990年

    アメリカの大学で学生にベルイマンをみせて,レポートでいい点をとった学生たちの中から直接ベルイマンに質疑応答させるという内容
    特に大した内容はなかった.


    2022/04/29(金)

    R.マリー・シェーファー『新装版 世界の調律 : サウンドスケープとは何か』, 鳥越けい子 小川博司 庄野泰子 田中直子 若尾裕 訳, 平凡社ライブラリー 926, 平凡社, 2022年

  • サウンドスケープや騒音について考えるためのエッセイ.理論的なアレは特にないが,散りばめられたデータや小噺が面白い.
  • 公園で音を聞く方が音楽聴くより楽しいなというモードに入りたいときに読むといい.

  • 2022/04/28(木)

    伊東信弘『東欧音楽夜話 : 越えられない国境/未完の防衛戦』, 音楽之友社, 2021年

  • 『レコード芸術』に連載したエッセイをまとめたシリーズ二作目
  • 映画の『皆殺しの天使』はオペラが原作らしい.トーマス・アデルという作曲家
  • 藤圭子と宇多田ヒカルの共作を知る.演奏もとてもかっこいい
  • ウラジオストクの中古車市場を扱った『右ハンドル』読んでみたい. 『最後のソ連世代』は後期社会主義の市民の生活を紹介する本.おそらく私が最も知りたいことはこの本にある.
  • やはり東側の人間が西側の商業主義音楽の世界で生きるのは辛いことがあるらしい.パトリシア・コパチンスカヤのヴィクトールがそのようだ.

  • 2022/04/27(水)

    伊東信弘『東欧音楽綺譚 : クルレンツィス・跛行の来訪神・ペトルーシュカ』, 音楽之友社, 2018年

  • 東欧の民俗音楽や現代音楽について紹介するエッセイ.元は『レコード芸術』に連載したエッセイ
  • ルドルフ・バルシャイ監督曰く,1948年のジダーノフ批判で委員会が音楽院で学生の作品を検閲すると発表された際 「全ての廊下で不幸な学生たちが全員廊下に座って,自分の楽譜を膝に置き,作品から二度と七度の音程を消しゴムで消して,三度や四度に書き換えていた」らしい
  • 読みおわ.手元にあれば何度も読む本だろう.こういう本を読むことで聞く音楽の裾野が広がる.
    紹介されていた映画の『僕のスウィング』はみてみたい.あと中公新書の『バルトーク』やちくま学芸文庫のベルトーク本もこの人が訳しているようなので読みたい.

  • 2022/04/25(月)

    『スウェーデンを知るための60章』, 村井誠人 編, エリアスタディーズ75, 明石書店, 2009年

  • 分厚いし音声学の話から始まってそこそこ難しい.この本,誰が読めるんだろうか. ベルイマンの章もあるでよ.『野いちご』の主演俳優はスウェーデンの有名な映画監督なのね
  • あんま関係ないけどスウェーデンの好感度高いのはSNSでの広報戦略の成功だということを書いた本があるようだ(?). 北欧モデルを持ち上げる人間やそのデータの胡散臭さに注意する人間として読んでおくべきかも. →『良いスウェーデン、悪いスウェーデン: ポスト真実の時代における国家ブランド戦争 』
  • 偶然気づいたが,WW2のときのスウェーデン駐在武官の妻,小野寺百合子は当時の回想を書いているようなのだけど,ムーミンの翻訳者でもあるらしい.
  • ロスキレ条約というのがデンマークとスウェーデンの領土を今の形で分割したもので,北欧が近代国家として境界線を持つようになった大きな出来事らしい. そのロスキレ条約によってスコーネ地域が併合されたことでめんどくさい歴史問題が生じたという話. p.53-54 "スコーネの「スウェーデン化」概念は,国民主義的な見地に立つデンマーク,スウェーデン双方の歴史家によって共有され, 広く世論に普及した結果,現在にも生きるスコーネ史をめぐる二つの神話をもたらした. 一つは,スウェーデン政府によって設置されたスコーネ総督府の政策はスコーネ住民に対して慎重にしてかつ巧妙なものであったために, スコーネの急速なスウェーデンへの統合が可能になったのだという神話. そしてもう一つは,スコーネ住民のなかには反スウェーデン的な感情を強く抱いたものがおり,彼らは1670年代に起きたスコーネ戦争で デンマークに与する義兵としてスウェーデン軍と戦ったものの,スウェーデン軍による苛烈な追討の結果,悲劇的な結末を迎え反スウェーデン勢力は一掃されたという神話である 後者は,現在でもなおスウェーデンからのスコーネ地方の政治的自立を出張する右翼集団によって繰り返し主張される物語であり,2006年にはこの物語に従って『魏兵たち』という テレビ・ドキュメントが作成されたほどである"
  • ベルイマン映画で見るように,畑の境に石垣があるのは,耕作地が狭いため畑の石をたり除いて積んでいたためのようだ.スモーランドは狭い土地の意.
  • 先住民サーミがノルウェー,スウェーデン,フィンランド,ロシアにまたがって生活している.サーミにもさまざまな言語がある.
  • フィンランドにもスウェーデン語を母語とする地域があるらしい.フィンランド人口約520万人のうち,スウェーデン語が第一言語なのは30万人. トーベ・ヤンソンもスウェーデン語が母語なので,ムーミンはスウェーデン語で書かれているとのこと.
  • 北欧語の中でのスウェーデン語
    p.71-72 "さて,スウェーデン語はフィンランド語とは言語学的に別の語族に分類されるが,他の北欧諸語すなわちデンマーク語,ノルウェー語,アイスランド語,フェーロー語とは同じゲルマン語派に属し, その中の北ゲルマン語(=ノルド語)に属している.英語もゲルマン語だが,ドイツ語やオランダ語と同じグループの西ゲルマン語に属している.ゲルマン語にはさらに東ゲルマン語もあり,これは今では死滅してしまったゴート語がここに分類される. これらの言語はいわば親戚同士の関係にあり,相互に多数の類似点が見出されるが,スウェーデン語は北ゲルマン語であるということから,デンマーク語やノルウェー語などと,より一層近い関係にある. 歴史的な見方をとれば,スカンディナヴィア半島をおよそ縦に割り,その東側に位置するスウェーデン語とデンマーク語は東ノルド語に,西側にあるノルウェー語,アイスランド語,フェーロー語は西ノルド語に分類される. この二分類の設定は,およそ西暦400年ごろから800年ごろに生じた,今日の北欧諸語を形作る主要な言語変化が東西で異なった展開をしたことに由来している.言語変化によっては,たとえば西側を中心に生じた変化が東側まで十分浸透しなかったり, たとえ到達したにせよ再度押し戻されたり,またその逆に東側を重心に新たに生じた変化が西側まで波及しなかったりと,結果的に見ると言語変化が複雑化つ重層的に入り組んでおり,今日の北欧諸語はそうした諸相の総合体といってもよいであろう ""
    例として西ノルド語にはゲルマン祖語から受け継いだ二重母音があるが,東ノルド語は単母音に移行したことが挙げられている. さらに”西ノルド語では強勢のある母音に続く子音連続の最初の鼻子音が後続の子音に同化”する音変化があるとのこと.
  • Åの発音についての説明を読んでこれはAの上にoがあるということを知ったのだが,形態状はoと0の書き順の違いなんてどうでもいいはずなのにどうしてこの二つは書き順が異なるのだろうか.
  • スウェーデンの特殊文字の発音がわかった.しかし半年後には忘れているだろうな. åはaa伸ばしの音.過去はaの音だったがoの音に変化したことを示す文字.ä, öはドイツ語と同じ. 詳しくは『新版 北欧の言語』を読めとのこと
  • スウェーデンの現在の王室も「国民統合の代表と国家全体の象徴」という位置付けだが,常時国務の情報を得て,委員会の主宰になるなど日本の天皇よりかは行政に咬んでいる.また.国防軍統合の象徴であるところは日本とは大きく異なる.
    ちなみに今の王家は,ナポレオンの兄弟からの家系のようだ.
    参考文献の『象徴君主憲法の二十世紀的展開 : 日本とスウェーデンの比較研究』,2005年 が面白そうだ.
    ちなみに国王とその子供たちは難読症があるのだが,カール12世(1697-1718)の頃からの遺伝なのだろうか?
  • スウェーデンの外交
    社会民主党のオーロフ・パロメ首相は米批判を繰り返し,ハノイ爆撃をナチスの非道になぞらえたことから,73-74年の駐米スウェーデン大使が接受拒否されたらしい.とんでもないことだ.
    1986年にパロメはストックホルムで暗殺されたとのこと.wikipediaをみる限りでは未解決事件.
    中立外交というのは敵が多くて大変そう.スウェーデンはアルジェリア独立を西側で唯一承認したらしい.
  • 教育とか男女平等や福祉の章は疑いながら読んでいる.
    移民の増加によって高福祉がどの程度維持できるのかというのは気になった.
  • イングウェイはスウェーデン人.わかりやすい旋律が好きな国らしい.アバが代表例.ベルイマンも確かにわかりやすい旋律が好きだな.
  • 夏至祭に参加した日本人が酒盛りの場で歌を歌ってほしいと頼まれたので,周りが日本語を理解できないことをいいことに6月ならカタツムリだろうということで「でんでんむし」でその場を誤魔化した話.
    美味しくないパスタを食べたが,スウェーデン人はイタリア人のおかげで食生活が豊かになったと感激していた話.
    EU加盟以前は購入できる野菜は少なかったらしい.
    8月はザリガニ解禁月で各地でザリガニパーティをする.みんなで音を立てながらザリガニを吸う.今では年中冷凍ザリガニを食べることはできる.
    「田舎でとった本物のスウェーデンのザリガニ」を自慢するスウェーデン人の話.
    万人の権利というものがあって限度はあるが自然のものを採っていいらしい.きのこがりに参加したが食べられるキノコは3つしかとれなかったという話.
    コケモモのジャムを肉団子にかけるらしい.
    乳製品が豊富.onakaという安直な東洋ステレオタイプなネーミングのヨーグルトっぽい製品があるらしい.
  • スウェディッシュインスティテュートという組織がスウェーデンの社会制度や文化や企業を売り込んでいるらしい.悪の組織.

  • 以上